悪気はないのに、部下が委縮してしまう。指導の内容は正しいはずなのに、なぜか関係がぎこちなくなる――その原因が、話すスピードにあるかもしれない。

結論は?

相手のトーンと「真逆」の話し方が、威圧になる

つい無意識にやってしまいがちなのが、
相手の話し方と真逆のトーンで返してしまうことだという。
緊張して言葉に詰まりながらゆっくり話している部下に対して、
「で、結論は?」「早く言って」と早口でまくし立ててしまう――
そういう場面は、多くの職場で起きている。

これは部下にとって、言葉の内容以前に「言葉の暴力」として受け取られ、
強烈な威圧感を与えてしまうとされている。
上司にそのつもりがなくても、話すスピードやトーンの差そのものが、
相手を追い詰める力を持ってしまうということだ。

相手のペースに合わせることで、緊張は和らぐ

やってしまいがちなのが、相手のトーンと「真逆」のことをして、無意識に威嚇することです。
例えば、緊張して言葉に詰まりながらゆっくり話している部下に対して、イライラして「で、結論は?」「早く言って」とまくし立てるように早口で被せてしまう。
これは、部下にとっては「言葉の暴力」であり、強烈な威圧感を与えます。
だからこそ、相手の話すスピードに合わせて自分のスピードを意図的に調整するのです。
ゆっくり話す部下であれば、自分自身もあえてゆっくり話す、といった具合です。
部下:「実は……今簡単な仕事が……、進まなくて困っていまして……」
上司:(同じテンポで)「そうなんだ……、なかなか進まなくて困っているんだね……」
このように、相手の呼吸に合わせるようにペースを落とすことで、部下の緊張は驚くほど和らぎます。
「この人は私のペースに合わせてくれている」「寄り添ってくれている」という安心感が生まれるからです。
上司が気をつけるべきは、指導のトーン(丁寧語・声量・スピード)なのです。

解決策として示されているのは、相手の話すスピードに合わせて、
自分自身のテンポを意図的に調整することだ。
ゆっくり話す部下に対しては、こちらもあえてゆっくり話す。
言葉の内容よりも先に、まずペースを合わせることに意識を向ける。

会話の例として示されているように、
部下が言葉に詰まりながら状況を伝えてきたとき、
同じテンポで「そうなんだ……、なかなか進まなくて困っているんだね……」と返すだけで、
部下の緊張は驚くほど和らぐという。
「この人は自分のペースに合わせてくれている」「寄り添ってくれている」という感覚が、
安心感をつくり出すからだ。

指導のトーンが、関係の質を決める

上司が注意を向けるべきは、指導の内容だけではなく、
丁寧語の使い方、声の大きさ、そして話すスピードといった「トーン」だという。
どれだけ的確なアドバイスをしていても、
届け方のトーンが合っていなければ、内容は相手の中に入っていきにくくなる。

逆に言えば、話す内容が多少粗削りでも、
相手のリズムに合わせたトーンで伝えることができれば、
部下は話を受け取りやすくなる。
指導の効果は、伝えた内容の正確さだけでなく、
どのようなトーンで届けたかによっても大きく左右されるということだ。

次に部下が話しかけてきたとき、自分のペースではなく相手のスピードに合わせて返すことだけでいい。

(本記事は、書籍『コンサル時代に教わった 仕事ができる上司の当たり前』をもとに作成しました)