食事は、お腹を満たすだけの時間ではない。食べ方やあいさつだけでなく、自分で考えて選び、責任を持って行動する力も、毎日の食卓で少しずつ育まれていく。では、「育ちがいい」と感じられる人の親は、食事の時間に子どもへ何を教えているのだろうか。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

【食事】「育ちがいい人」の親がまず教えていたこと・ベスト1Photo: Adobe Stock

ある幼稚園で「最後に」学ぶこと

「最後の給食は、子どもたちが一番楽しみにしている日なんです」
ある幼稚園の先生が、そう教えてくれた。

卒園前の最後の給食は、いつもとは違うビュッフェ形式。
子どもたちは自分で好きなおかずを選び、自分で食べる量を決める。

先生によると、この日は意外と苦戦する子も少なくないという。
好きなものばかりをお皿いっぱいに盛ってしまう子。
「もっと食べられる」と思って取ったものの、お腹がいっぱいになって食べ切れなくなる子。
反対に、遠慮しすぎて少ししか取らず、すぐに「足りなかった」と後悔する子もいる。

「自分がどれくらい食べられるのか」を見極めることは、大人が思っている以上に難しいのである。

だから先生たちは、子どもたちにこう声をかける。
「最初は食べられる分だけにしようね。足りなかったら、おかわりすれば大丈夫だよ」

この経験は、単に食べ残しを減らすためではない。
自分のことを自分で考え、自分で決め、その結果に責任を持つという経験をするためだ。

家庭でも同じである。
外食に行くたびに、「これくらい食べられるかな?」と親子で話しながら注文したり、ビュッフェで「まずは少しだけにしてみよう」と声をかけたりする。
そんな何気ない積み重ねが、「欲しいだけ取る」のではなく、「必要な分を考えて選ぶ」習慣を育てていく。

育ちのよさは、特別なテーブルマナーで決まるものではない。
自分にちょうどいい量を考え、残さずいただく。
そんな小さな習慣の中に、相手や食べ物への思いやり、そして自分を律する力が育っていくのである。

自分が食べられる量を把握しよう

小学校入学前後に身につけておきたい93のルールやマナーをまとめた『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』には、「きめられた ぶんだけ たべてみよう」という項目がある。

【食事】「育ちがいい人」の親がまず教えていたこと・ベスト1『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用
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①のこさないで ぜんぶ たべると じぶんで きめよう。
②たべられそうな ぶんだけ とろう。
③どれくらい おかわりしたいか つたえよう。
④のこさずに ぜんぶ たべたら じぶんを ほめよう。

(『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用)

とくに大切なのは、「たべられそうな ぶんだけ とる」というステップだ。

食べ物を大切にすることも、自分で判断することも、その一歩は「今の自分にちょうどいい量」を考えることから始まる。

こうした小さな習慣を家庭で積み重ねていくことが、食事のマナーだけでなく、物事を自分で考え、責任を持って行動できる力を育てていくのである。

(本稿は、『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』の発売を記念したオリジナル記事です)