時間は、せいぜい2分間。たったそれだけの時間でも、相手のカッカした頭を十分に冷ますことができます。

「さすがに短すぎない?」と思う人がいるかもしれませんが、2分間で十分だとするエビデンス(根拠)がちゃんとありますので、ご安心ください。

 アイオワ州立大学のブラッド・ブッシュマン氏は、600人(男女各300人)の実験参加者が書き上げたエッセーをひどく貶(けな)すコメントをし、まずは怒りの感情を高めてもらいました。

 それから、サンドバッグ(パンチング・バッグ)を「相手を思い浮かべながら殴る」(反すう)、サンドバッグを「健康について考えながら殴る」(気晴らし)、「何もしないで2分間静かに待ってもらう」、という3グループに分けて、最終的な怒りの大きさを調べてみました。

 怒ってカッカしている人も、サンドバッグを思いきり殴っていれば、気分がスッキリするかと思いきや、そうはなりませんでした。むしろ、2分間静かに待ってもらったり、健康について考えながら殴っていたほうが、怒りが少ないことがわかったのです。

とにかく「2分」ほど
時間を置くこと

 カッカしている人を相手にするときには、とにかく、いったん2分ほど時間を置くことです。どこかに緊急避難し、相手の気持ちが別のことに向けば、落ち着いて話ができる可能性があります。

 アイスホッケーで反則を犯した選手は、リンクサイドにあるペナルティーボックスで決められた時間だけ待機しなければなりません。小さな反則、すなわちマイナー・ペナルティーは2分間。

 いったんプレーから離れて冷静さを取り戻す時間にもなるでしょう。なお、相手にケガをさせてしまうような大きな反則はメジャー・ペナルティーとして5分間です。

いったんその場を離れることで
落ち着くきっかけに

 問題行動をした子どもを、いったんその場を離れて時間を置く方法を、「タイムアウト」と呼んでいます。

 フロリダ大学のジーン・ドナルドソン氏は、小さな子どもが他の子を突き飛ばしたり、蹴ったりした場合に、教室の角にあるカーペットの上に連れていき、しばらくそこにいてもらうという実験を行いました。

 するとタイムアウトは問題行動を減らすのに有効な方法であることがわかりました。別の場所でしばらく過ごすことで、乱暴な行動は少なくなったのです。いったんその場を離れることで、落ち着くきっかけになったのでしょう。