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顧客が声を荒らげ、こちらの説明を聞こうとしない。そんな場面では、言葉の選び方以上に、姿勢や視線といった「振る舞い」が相手の感情を左右することがある。怒っている相手に対して、あえて自分を小さく見せることには、どんな効果があるのか。※本稿は、コミュニケーション・トレーナーの荒木シゲル『一瞬で人の心を操るマインド・ハック この「表情」「しぐさ」には、誰も逆らえない!』(三笠書房)の一部を抜粋・編集したものです。
胸の開き方だけで
相手に与える印象は大違い
胸は感情を表現するのに効果的なパーツです。ちょうど表情における「眉毛」のような場所だと思ってください。わずかな動きで印象がガラッと変わります。
ある人がまっすぐ直立したニュートラル(素)な姿勢で立っているとします。その状態から胸だけを上に向けて開いた姿勢になります。するとそれだけでステイタスが高まり、エネルギーにあふれたポジティブな印象になります。高いモチベーションを持っているようにも見えるでしょう。
研究によると胸を開いた姿勢の人は、周囲から「リーダーとしての資質が高い」と評価される傾向があります。自信があるように見えるので、プレゼンやスピーチなど人前で話すときにはこの姿勢が理想です。「この人の話には価値がある」と無意識に思わせる効果があり、同じことを話していても説得力が増します。
また交渉時に相手が強気の姿勢で出てきたときには、焦らず胸を開くように意識してください。落ち着きと余裕を見せることで「こちらが優位である」と相手の無意識に訴え、「手強い相手だ」と思わせる効果があります。
では、逆に胸を閉じて下に傾けるとどうでしょう?
途端にステイタス(編集部注/即興演劇で用いられる、登場人物間の力関係を示す言葉。本記事では、その場で強い影響力を持つ状態を「高いステイタス」、弱い立場を「低いステイタス」とする)は下がり、疲れているか悲しんでいる、または消極的な印象になります。印象だけでなく、胸を閉じた状態では実際にストレスホルモンが増加することがわかっています。
クレーム対応では、あえて
「低いステイタス」を使う
胸を閉じた姿勢は「共感・傾聴の姿勢」でもあるので、意図的に使える状況もあります。クレーム対応や否定的な意見への対応をする際に、相手の感情を落ち着かせたいときです。
相手が感情的に話しているときには、反論せず胸を閉じて話を聞くことで、「申しわけない」「反省している」という印象になります。さらに相手が落ち着いたタイミングを見計らって、胸を開きながら「では、こういう考えはいかがでしょう?」と提案することで、最終的にこちらのペースに引き込むのです。
ビジネスの現場では、こちらに落ち度があるかどうかに関係なく、感情的になった顧客を相手にしなければならない場面がしばしばあります。たとえばあなたが販売員で、店頭で理不尽なクレームを受けている状況を想像してみてください。
顧客は商品への不満、接客態度、店舗の雰囲気、あるいは自分自身の勘違いなど、さまざまな理由で怒りをぶつけてきます。会社としては最終的に「お客様に納得してもらうこと」が目標ですが、相手が感情的であればあるほど、それは簡単ではありません。







