「秋になると抜け毛が増える」と感じる人は少なくありません。しかし、その原因は秋ではなく、実は夏に受けた頭皮ダメージが関係している可能性があります。髪のプロが20年の経験から見えてきた「3カ月後の法則」と、秋を穏やかに迎えるために気をつけたいポイントを解説します。
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「抜け毛が増えた気がする」と思ったら
毎年9月になると、新規のお客様からの問い合わせが急増する季節がやってきます。
以前、私が予約を取っていたときも、現在プロデュースしているヘッドスパサロンでも、その傾向は変わりません。動機を伺うと、多くの方が同じことを口にされる。
「最近、抜け毛が増えた気がして」――。
私はヘッドスパに携わって20年、現在は全国でヘッドスパ専門店をプロデュースしていますが、秋の新規来店ラッシュはどの店舗にも共通する現象です。「秋の抜け毛」は、決して気のせいではありません。
そして、お客様にいつもお伝えしていることがあります。
秋にケアを始めるよりも、初夏のうちに始めるほうが、その後の数ヶ月の手応えは大きく変わってくるということです。
秋の抜け毛は「夏のツケ」
「最近、シャンプー時の抜け毛が増えた」と感じ始めるのは、たいてい9月以降。けれども、その一因として、6月~7月の初夏に受けた紫外線ダメージが関わっていると考えられます。
髪にはヘアサイクルがあり、ダメージを受けてから抜け毛として現れるまでには、数ヶ月のタイムラグがあるのです。
つまり、いま初夏の頭皮で起きている光老化が、ちょうど秋に「結果」として目に見えてくる。
私はお客様にこのことを、「3ヶ月後の法則」とお伝えしています。
頭皮は、顔より無防備な場所
朝、顔には日焼け止めを丁寧に塗る。けれど頭皮には、何もしていない――。これまで多くの髪のお悩みに向き合ってきた中で、私が一番もどかしく感じているのが、この「ケアの空白地帯」です。
意外に知られていないのですが、頭皮は顔よりはるかに紫外線を浴びやすい場所です。身体の中で最も太陽に近い位置にあり、しかも皮脂腺が多く、皮脂分泌量はトップクラス。
これだけ皮脂が多い場所が紫外線にさらされ続けると、皮脂は急速に酸化していきます。
さらに、こめかみから上の頭皮、特に頭頂部は、栄養を運ぶ毛細血管が非常に豊富な場所です。
そのため、紫外線で頭皮環境が荒れると、毛細血管の働きが滞り、栄養が毛根まで届きにくくなるのです。
秋に慌てる人と、初夏から手を打つ人
秋の抜け毛は、その日に始まった現象ではなく、夏の間に少しずつ進んでいた変化が、ようやく目に見える形になったもの。
だからこそ、気になり始めてからのケアは、いつも少し遅れたスタートになってしまいます。
逆に言えば、初夏の今からゆっくり手を打っていけば、3ヶ月後の秋を穏やかに迎えやすくなります。
では、夏の頭皮で具体的に何が起きているのか。紫外線が頭皮で起こす変化と、抜け毛に深く関わる「ある物質」について、もう少し踏み込んで解説していきます。



