夏になると気になり始める頭皮の臭い。その原因は、汗だけでなく紫外線によって酸化した皮脂が関係していることがあります。実は、キッチンペーパー1枚で自分の頭皮の状態を手軽に確認する方法があるのをご存じでしょうか。ヘッドスパ歴20年の経験をもとに、臭いのセルフチェック法と、3カ月後の髪に差がつく夏の頭皮ケアを紹介します。

キッチンペーパー1枚でわかる「頭の臭い」…この夏やるべき3つの習慣Photo: Adobe Stock

「頭の臭いが気になる」人が急増する夏

夏にかけて湿度が高くなると、お客様からこんなご相談が一気に増えます。

「最近、自分の頭の臭いが気になって……」。

この季節、頭皮の臭いを気にする方は本当に多いのです。

ところが、自分の頭皮の本当の臭いは、シャンプー直後の良い香りに隠れて、なかなか正確には分からないものです。

私は2011年に独自のヘッドスパ手技を体系化し、2017年からは「プーラ式ヘッドスパセミナー」という形で、外部の実践者向けにも継続して開催しています。国内外から、有名サロンの関係者を含む同業の方々が学びに来てくださっています。

このセミナーの中で、参加者の方々から共通して聞いた話がありました。

「自分の頭皮の本当の状態は、シャンプーの香りに隠れて、自分ではなかなか分からない。でも、キッチンペーパー1枚で、本当の状態を再現できるんですよ」

複数の現場のプロが、同じ方法を口にする。それなら確かなはずだと、私も数年前から何度か試してみました。

結論を言うと――本当でした。

その後、サロンに通ってくださるお客様にもお伝えしたところ、思った以上に反響が良く、「やってみたら自分の頭皮の現実が分かった」「家族にも教えたい」といった声が続きました。

それなら、もっと多くの方にも知っていただきたいと思い、今回ご紹介することにしました。

なお、ここからお話しする「皮脂」のことを、私たちは現場でよく『脂(あぶら)』と呼んでいます。

お客様にお伝えするときも、この方が伝わりやすいからです。本記事でも、現場で使う言葉として「脂」という表現を交えてご紹介します。

この方法はあくまでヘッドスパの現場で長年使われてきた簡易的な確認法であり、医学的な検査ではありません。皮脂の分泌量や、シャンプーの洗い残しの傾向を、視覚・嗅覚的に自覚するためのひとつのきっかけ、として参考にしてください。

キッチンペーパー1枚で「頭皮の本当の臭い」を確かめる

1. お風呂場の床と排水溝を、シャンプー前に水でよく流しておく
2. 排水溝の蓋の上に、キッチンペーパーを1枚敷く(※薄手のものは破れやすいので、厚手のキッチンペーパーをご利用ください。また排水溝の形状によってはペーパーが流れたり、水が溢れる場合がありますので、ご自宅の構造をご確認ください)
3. いつも通りにシャンプーをする(シャンプーを流すお湯は、すべてキッチンペーパーの上を通過します)
4. シャンプー後、キッチンペーパーを取り出し、風通しのよい場所で半日ほど干す
5. しっかり乾いたら、鼻を近づけて香りを確かめる

たったこれだけです。

何を確かめるのか

キッチンペーパーには、シャンプーと一緒に流れた脂とシャンプーの混ざった成分が残っています。乾いた後の香りこそが、いまの自分の頭皮の状態に近いものです。

シャンプーに使われている香料には、自然由来のものと化学合成のものがあり、自然由来の香りは比較的早く飛び、化学合成の香りは長く残る傾向があります。乾いたキッチンペーパーから、シャンプーの良い香りだけが感じられるなら、頭皮はそれほど深刻な状態ではないかもしれません。

逆に、香りに混じって、ツンとした脂っぽい匂いや、こもったような匂いを感じたら――それは「過酸化脂質」のような、酸化した脂が残っている可能性に目を向けるきっかけになります。

「臭いを覆い隠す」のではなく「状態を知る」

私がこの方法をお客様にお伝えする理由は、自分の頭皮の現実から目を逸らさないためです。

シャンプー後すぐは、誰でも良い香りに包まれています。だから「自分の頭皮は大丈夫」と思い込みやすい。

けれども、香りはやがて飛び、本当の頭皮の状態が現れる。それを早めに知ることが、秋の抜け毛を防ぐ第一歩になるのです。

では、もしキッチンペーパーから脂っぽい匂いを感じたら、どうすればいいのか。過酸化した脂を「ためない」「取り除く」「防ぐ」ための、今日から始められる具体的なケアをご紹介します。