共働きの親にとっては、少し悩ましい夏休み。子どもと接する時間は短くても、有意義な時間を持つにはどうすればいいのでしょうか? マンガと言葉を使ったゲームを通じて、小学生の子どもが楽しく言語化力を身に付けられると話題の一冊『12歳までに身につけたい「ことば」にする力 こども言語化大全』(ダイヤモンド社)の著者で文章の専門家・山口拓朗氏がースに親御さん向けの記事として書き下ろします。

共働き家庭の夏休み、子どもを黙らせる親のNGワード・ワースト1Photo: Adobe Stock

「疲れたからあとにして」と言いたくなるが‥‥‥

 夏休みは、共働き家庭にとって悩ましい季節でもあります。子どもが家で留守番する時間が増え、帰宅したときには親も疲れ果てている。

 そんなとき、子どもが話しかけてきても、つい「疲れたからあとにして」と言ってしまう。気持ちはよくわかります。

 しかし、こうしたやり取りが続くと、「疲れている親に話しかけてはいけない」「自分は興味をもたれていない」という思い込みを、子どもに与えてしまいます。

 幼いときは「甘える」「泣く」「癇癪を起こす」などの形で表に出ていた感情も、小学生の中高学年になると、自分でブレーキをかけるようになります。その結果、家庭内で子どもが言語化する機会が失われていきます。

 では、共働き家庭の親にできることは何でしょうか。

 何より大事なのは、帰宅後、穏やかな状態で子どものそばにいることです。同じ空間にいて、いつでも言葉を交わせる環境をつくる。すると、子どもが親の存在や気配を感じ、「話をしたい」という気持ちが生まれやすくなります。

 子どもと目も合わせず、「宿題やった?」「部屋は片付けたの?」と管理するような言葉ばかりでは、子どもは心を開きません。萎縮してしまう子もいるでしょう。

 それよりも、子どもの好きなゲームやアニメ、熱中している趣味やスポーツ、推しの芸能人についての話題を一緒に楽しみましょう。「安心感」と「楽しさ」、このふたつを感じている子どもは、言語化することにためらいがありません。

未来のイベントを話題にしてみよう

 夏休みの対応として、もうひとつ有効なのが、「未来のイベントを話題にする」というアプローチです。お盆の旅行、来週行く海やプール、楽しみにしている夏祭りや花火大会、アミューズメントパークなど。「あそこのお店でかき氷を食べたいね」「どの順番でアトラクションに乗ろうか?」と、楽しい未来の話に花を咲かせましょう。子どもは想像をふくらませ、期待に胸を高鳴らせながら自分の気持ちや意見を言葉にするでしょう。親にとっても疲れを癒す貴重な時間になるはずです。

 留守を守る子どもが、親の帰宅を心待ちにしているようであれば、それは「安心感」と「楽しさ」が家庭内に充満している証拠です。言語化の土台は家族全員が穏やかに過ごす空間で育まれていきます。大事なのは時間の「長さ」ではなく「濃さ」です。

*本記事は、『12歳までに身につけたい「ことば」にする力 こども言語化大全』(ダイヤモンド社刊)の著者山口拓朗氏による書き下ろしです。