ストロングさんは、自宅からリモートでできる仕事を探すつもりだ。「孫や姉妹の面倒を見ながら、家でできる仕事をして収入を得たい」
MCAは州の教育機関などからの支援を受け、17年に設立された。生徒の大半が高卒で低所得家庭の出身。高校卒業か同程度の教育を受けていれば、コーディングなどの経験はいらない。希望者全員が無料で半年間の授業を受けられ、ウェブサイトやアプリの作り方など基礎的な技能を学べる。これまでで約280人が卒業し、収入は卒業生の平均で入学前から2~4倍に増えたという。
若者が流出し続ける
ミシシッピ州の救世主となるか
生成AIの授業では、AIの約70年の歴史や、基本的なしくみなどを学んだ。教室をのぞかせてもらうと、カラフルなポストイットが壁に貼られていた。
「AIには3つのタイプがある。狭い(最も弱い)、汎用(最も強力)、スーパーインテリジェント(人間より賢い)」
「狭いAIは限られた量の情報しかない」
「AIはあなたの副操縦士。様々な手法であなたの人生を楽にしてくれる」
授業で学んだことをもとに、「AIとは何か」を生徒たちが思い思いに書いていた。
「タコス店やごみ処理会社など、今日のすべての仕事はコンピューターがかかわる。我々が教える基礎的な知識は様々な分野に活用できる」。MCAのボブ・ブセック校長はそう話す。
「この学校はダイヤモンドの採掘場のようなものだ。いまは特定の用途にしか使えない技能でも、磨き続けることでどこでも応用できる美しさを引き出せる」
ミシシッピ州は約300万の人口を抱えるが、この数年は微減傾向にある。州内に魅力的な仕事がないことなどから、州を離れる若者も多い。
「我々の州の最大の課題は、高等教育を得た人が卒業したとたん、仕事を求めて州を離れてしまうことだ。我々がこの町から輸出するのは、人々の頭脳。人材を地元にとどめられれば、経済を持続的に成長させられる」とブセック校長は言う。







