写真はイメージです Photo:UCG/gettyimages
生成AIブームを背景に、世界では巨大データセンターの建設競争が激化している。半導体だけでなく、電力、原発、送配電網など「AIインフラ関連株」への注目も高まる一方、膨大な電力需要が新たなボトルネックになりつつある。AI時代の覇権を左右するデータセンターで何が起きているのか。その最前線を追う。※本稿は、朝日新聞編集委員の五十嵐大介『ルポ・シリコンバレー AIブームと米国社会の断層を歩く』(朝日新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。
ChatGPTの電力消費は
グーグル検索の10倍
最新のAIの開発や推論には、膨大な計算処理が必要となる。米電力研究所(EPRI)によると、ChatGPTの1回の質問への回答にかかる電力消費量は、一般的なグーグル検索の10倍かかるとされる。
そうした計算を手がけるのが、米半導体大手エヌビディアなどが開発する画像処理装置(GPU)だ。
エヌビディアのGPUチップセットである「GB200」は、2つのGPUと1つの中央演算装置(CPU)が1つの基板に組み込まれている。この基板36枚分、つまり72個のGPUが、高さ2メートル、横幅60センチほどのラックに収められる。冷却のための長さ約2キロ分のワイヤなどがびっしりと収められ、ラック1台の重さは数トンにおよぶ。
巨大データセンターでは、こうしたGPUが数十万個使われている。イーロン・マスク氏のスペースXAI(旧xAI)がテネシー州メンフィスで建設するデータセンターでは、2026年末までに100万個のGPUを導入する計画だ。米ウォールストリート・ジャーナル紙によると、近くに一般的な原発1基分にあたる出力100万キロワット超の発電所を新設するという。







