それより何より「予算」の項目など空欄のお客さまがほとんどである。

 予算が空欄のお客さまの、「いくらかかるかわからないのに予算なんて考えられない」という主張も、それはそれで納得でもある。

買える客かどうかを
営業マンは見極める

 予算が空欄ならまだいい。いまは個人情報等いっさい教えたがらない人も多いため、アンケートそのものに嫌悪感を示す方も少なくないのだ。だから、そんなお客さまから「はじめまして」の初回接客で詳細な情報を聞き出すことはそう簡単なことではないのである。

 だからといって、警察や裁判官の審問のように質問攻めにすればいいものでもない。聞くのは簡単だが、そんなことをしたら、お客さまも「いやぁ、今日はちょっと見にきただけなんで……」とごまかされるだけだろう。

 そして、そのお客さまからすれば、その住宅営業マンは、ただの感じ悪い人という印象だけ残して、ここへは二度と来ないのである。

 住宅営業マンとして初回接客時の最重要ポイントは、人として気に入ってもらって、なおかつお客さまから必要な情報を得ること。そんなことができるのか?もちろんベテランの住宅営業マンになれば、世間話に乗せてポンポン聞き出せる人もいるが、直接お客さまに聞くだけが手段ではない。

 こんなときの便利なツールに、銀行の「事前審査申込書」というものがあるのだ。

 住宅営業マンは、お客さまに「これからマイホーム購入をお考えであれば、どこの銀行でもいいので、事前審査だけ申し込んで、いくらまで貸してくれるか確認してみるのもいいかと思いますよ。借入の上限金額がわかれば、あとは安心して住宅メーカーを選べるでしょ」とサラッという。

 あくまで「うちの会社で決めてくれではなく、どれくらい住宅ローンを組めるかを知ったうえで、いろいろな住宅メーカーに行ってみては?みなさんそうしてますよ」というニュアンスで。

 そして住宅営業マンがお客さまに「事前審査申込書」を提示する。数ある金融機関のなかでもFAXで当日か翌日回答、収入証明も必要なく、免許証のコピーだけでサラ金並みのスピード融資ならぬスピード回答をしてくれる銀行のものに記入していただく。