住宅を案内する営業担当者写真はイメージです Photo:PIXTA

モデルハウスを訪れた客に、住宅営業マンは笑顔でアンケートや住宅ローンの事前審査をすすめる。しかし、その目的は親切な資金計画の案内だけではない。元住宅営業マンの筆者は、初回接客の裏側で「この人は本当に買える客なのか」が見極められていると明かす。※本稿は、屋敷康蔵『住宅業界ぶっちゃけ話 元営業マンが暴露する儲けのカラクリ』(清談社Publico)の一部を抜粋・編集したものです。

アンケートでは
本音の情報は取れない

 住宅営業マンを含め、その他高額商品を扱う仕事というのは、じつに特殊な仕事でもある。

 なぜなら、そのお客さまが本当に商品を購入する資金を持っているのか、銀行からお金を借りることができるのかをわからない状況から商談というものがスタートするからである。買う気があるかないかがわからないならまだしも、そもそも購入する資金や余力がなかったら、「時間」そのものがムダになるからだ。

 住宅業界は会社のノルマ的にも単月勝負の世界。お客さまにならない相手に2日も3日も使うムダな時間は、それこそ住宅営業マンにとって命取りとなる。だから初回接客で、どれくらいそのお客さまの個人情報を聞き出せるかが重要となるのだ。

 当然、どこの住宅メーカーも、初回来場時には「アンケート」を記入してもらうしくみにはなっているが、住宅メーカーのアンケートは、「住所、氏名、年齢、連絡先、予算、建築時期」程度のもので、それほど核心に触れる内容のものではない。

 ちなみにアンケートに「予算」という項目はあるが、ここは全額自己資金のほうの予算以外の予算はあてになるものではない。なぜなら住宅ローンを使うのに「予算3000万円」と書かれても、銀行から借りられるかどうかもわからない予算だから。