審査落ちで営業マンは
なぜ豹変するのか

 ただ、こうなると、ガッカリするのはお客さまだけではない。営業マンは自己中心的な人間が多いため、いま、こういうやりとりをしている時間すらもったいなく思ってしまい、それが露骨に態度にも出る営業マンも多い。

「さっさとお引き取りください」といわんばかりに、お客さまが話している最中でも、退席したくて椅子からお尻が浮いている営業マンはよく見る光景。

 そういうときの住宅営業マンの豹変ぶりは、本当にすさまじいものがある。結果が出るまで、あれほどにこやかでハキハキ、キビキビと対応していた営業マンが、結果を知った途端に覇気がなくなり、目も合わせなくなる。

 契約に向けて打ち合わせを進めているお客さまには、お帰りになる際、お客さまのバックミラーから自分の姿が見えなくなるまで駐車場出口で深々と頭を下げ続けるのに、契約にならないお客とわかった途端、お客さまが話している最中でも、「次の約束があるので、もういいでしょうかぁ」と離席してしまうのだから、営業マンとしてというより、人としてどうかと思うこともある。

 ただムダな時間を使った分、住宅ローン審査落ちのお客さまは、他人以下の存在となるのだ。

 ちなみに銀行の事前審査をするまでもなく住宅営業マンが豹変するケースもある。これはモデルハウス案内時のお客さまとの会話で、「買えないお客さま」であることが判明してしまうときだ。

「年収200万で、現在、毎月1万円の市営住宅に住んでいる。毎月の家賃分くらいで建てられますかね?」なんてことを本気で聞かれてしまったら、その営業マンは、もう「ハズレくじ」確定。「あとはご自由に見てください」とお客さまを放置して事務所に戻ってきてしまう営業マンもいる。

「お客さまは神さま」なんて言葉が昔からあるが、住宅営業マンにとって、「銀行からお金が借りられない、自己資金も持ってない」なんてお客さまは神さまどころか「貧乏神」以外の何者でもない。

 もちろん、それを露骨に態度に表す営業マンもいれば、そうじゃない営業マンもいる。しかし、そういうお客さまに対する「思い」はみんな同じである。