子どもの将来を考えると、勉強や習い事に力を入れたくなる親は多い。しかし、社会に出て本当に役立つ力は、日々の生活の中で少しずつ身についていくものでもある。では、これからの時代を生きる子どもたちに、家庭でどのような経験を積ませればよいのだろうか。話題の書『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』で紹介されているおやくそくの中から、自立につながる大切な習慣を紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

「最近の子ども」ができないこと・ワースト1Photo: Adobe Stock

海外在住ママの驚き

「日本の小学生って、こんなことまで自分でできるんですね」
海外で子育てをしている知人から、こんな話を聞いた。

日本に一時帰国した際、小学1年生の子どもと一日遊ぶ機会があったそうだ。

その日、知人が驚いたのは、学校の勉強についてではなかった。

その子は、お母さんが付き添わなくても、一人で公衆トイレに入ることができた。
朝は、自分で顔を洗い、歯を磨き、着る服を出して着替える。
お店では、自分で商品を選んでレジまで持っていき、買い物もしていたという。

知人が「すごいね」と言うと、その子のお母さんは、こんなふうに話したそうだ。
「今までは幼稚園生だったけれど、今年から小学生だから、いろいろ経験させなきゃと思って」

その言葉を聞いて、知人は少し恥ずかしくなったという。
自分の子どもは、高額な学費を払ってインターナショナルスクールに通わせている。
質の高い教育を受けさせているという安心感もあった。

一方で、トイレや着替え、身支度、買い物など、日常生活の多くは、親が当たり前のようにサポートしていた。

「勉強のことばかり考えていたけれど、当たり前のことを自分でできる力も、同じくらい大切だと気づきました」とその知人は話していた。

子どもは、年齢が上がれば、自然に何でもできるようになるわけではない。
着替えも、片づけも、買い物も、実際に自分でやってみなければ身につかない。

親が先回りしてすべてやってしまえば、その場では早く済む。
しかしその分、子どもが試行錯誤し、自分でできるようになる機会は失われてしまう。

知人は、日本の小学生の姿を見て、まずは日常生活のなかで、子どもが一人でできることを増やしていこうと考えたという。

自分のものを管理する練習を始めよう

とはいえ、いきなり何でも任せるのは難しい。そこでまずは、自分のものを自分で管理できるようになってほしいと考えたそうだ。

そこで活用したのが、小学校入学前後に身につけておきたい93のおやくそくを収録している『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』という書籍の「じぶんの へやを そうじしよう」という項目である。

「最近の子ども」ができないこと・ワースト1『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用
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① あそんだ あとは おもちゃを もとの ばしょに かたづけよう。
② ほこりや ごみを あつめよう。
③ ぬれた ぞうきんで まどを ふこう。
④ ごみばこが いっぱいに なったら ごみを すてよう。

(『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用)

親がすべてやってしまえば、その場では早く終わる。失敗もしない。
しかし、その分だけ、子どもは経験から学ぶ機会を失ってしまう。

だからこそ、小学生になったら、少しずつ親の手を離れ、「自分でやってみる」経験を増やしていくことが大切だ。

当たり前のことを、自分で当たり前にできる。その力は、一日で身につくものではない。
毎日の小さな積み重ねが、子どもの自信となり、将来一人で生きていく力の土台になっていくのである。

(本稿は、『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』の発売を記念したオリジナル記事です)