【頭の悪い働き方】評価につながらない「無駄な努力」・ワースト1Photo: Adobe Stock

何時間もひとりで悩み、上司に何度も相談しながら仕事を進める人がいる。しかしその努力、上司は評価しているのだろうか? 元マイクロソフト役員で、働き方分析の専門家・越川慎司氏による、ビジネスパーソン17万人の行動記録と評価データの分析結果から、その答えを明かそう。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)

※本稿は、越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』の一部を引用した記事です。

「考えがまとまらない」状態で何度も上司に相談すると…

仕事においては「報連相」が大事だと言われる。
だから、何度も上司のもとへ足を運び、相談を繰り返す。

これが模範的な努力であると考えている人は少なくない。

だが、これこそが、逆に評価を下げてしまう「無駄な努力」である。

生煮えのまま何度も相談にいく。
それは、上司の時間を奪い、思考の言語化を他人任せにしているにすぎない。

「考えが浅い」「自分で論点を整理できていない」と見破られ、結果として「考える力のないやつ」という最悪の評価をされてしまう。

人に相談する前に「AI」に相談する

では反対に、評価される「頭のいい働き方」とは何なのだろう。

働き方分析の専門家である越川慎司氏がビジネスパーソン17万人の行動記録と評価データを分析したところ、意外な結果が見えてきた。

越川氏の著書には、こう書いてある。

「AIは答えを教えてくれる存在」と考える人は少なくありませんが、期待されている人たちは違います。
 

彼らの45%が、自分の思考をぶつける壁打ち相手としてAIを日常的に使っていることが調査によりわかりました。これは一般社員における比率の18倍です。
 

とくに活用しているのが、相談前の相談です。
「上司に相談したいけど、何から話せばいいかわからない」
20代30代からよく聞かれる質問です。頭の中にモヤモヤとした課題はある。でも、それをうまく言葉にできないまま相談して怒られるのが怖い……。
多くのビジネスパーソンが、この「相談前の壁」に悩んでいますが、期待されている人たちはAIとの壁打ちによって事前に自分の考えを整理していました。

 

AIに説明する過程で曖昧だった論点がクリアになるから、上司や同僚に相談した際に話がスムーズに進むのです。

何度も上司に相談を持ちかける人よりも、相談前にAI相手に「壁打ち」をしている人の方が評価が高かったのだ。

上司に相談する前の段階で、人間の同僚には頼みにくい「容赦のない批判」をAIからもらうことで、自力で事前に弱点を塞ぐ。

この事前準備の有無が、評価に致命的な差を生み出していたのである。

何時間も自分ひとりで考え込み、考えが整理されていないまま上司に何度も相談を重ねる。

自分の頭で考えようとする姿勢は立派だが、他者の時間を無意識に奪い、自らの評価さえ下げてしまう無駄な努力は、「頭の悪い働き方」だと言わざるを得ない。

そんな勘違いを捨てられない人間に、組織で高い評価が与えられることはないのだ。

越川慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役社長
日系通信会社や外資ベンチャーなどを経て2005年にマイクロソフト米国本社へ入社。その後、日本マイクロソフトの役員としてExcelやPowerPointなどの事業責任者を務める。2017年には週休3日・複業を実践する会社、株式会社クロスリバーを設立し、800社以上の働き方改革を支援。年300回以上提供する企業向けオンライン講座の受講者満足度は平均96%、行動に移す受講者は95%以上。著書は『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)や、『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など33冊、累計130万部。NHK、TBS、テレビ東京、PIVOT、NewsPicksやReHacQなどメディア出演多数。