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30代までは優秀なプレイヤーとして活躍したものの、管理職になった途端にチームを停滞させてしまう人がいる。一方で、ベテランになっても周囲の信頼を集め、組織の要職に残り続ける人もいる。両者の違いとは? 815社のビジネスパーソン17万人の行動データからわかった、その意外な答えを紹介しよう。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
50代で「窓際社員」になる人の特徴
30代や40代前半までは、プレイングマネージャーとして自ら結果を出し、社内で高く評価されてきた。
しかし、なぜかチームとしての結果を出せない。
そして、マネージャーを降ろされてしまう。
そんな人は少なくない。
その原因は、チームを自らの「威厳」で引っ張ろうとしてしまうことにある。
ベテランとしての威厳を保たなくてはいけないと考え、自分のミスを隠そうとする。
間違える可能性のある決断を避けてしまう。
常に有能で完璧な上司であり続けようとしてしまう。
だが、ミスを恐れ、挑戦を避ける姿勢は、部下に「自ら行動しないベテラン」という印象を与える。
当然、チーム全体の行動や挑戦も減る。
チームの結果は出なくなり、マネージャーは「管理職失格」の烙印を押されてしまう。
結果として、マネージャーの座を追われ、組織の主流から外れた「窓際社員」として、その後のキャリアを過ごすことになるのである。
「ミスを開示する人」が慕われる
では、周囲から「この人についていきたい」と慕われ、組織の要職に残り続ける人は何をしているのだろうか。
815社のビジネスパーソン17万人の行動記録と評価データを分析したところ、意外な結果が見えてきた。
彼らは、プライドを守るために失敗を隠蔽することを避け、自らのミスをあえて周囲に開示しているのだ。
各社で期待されているリーダーの62%が、自身の失敗談を何かしらの形で共有していることがわかりました。一般社員で実践していたのはわずか7%のみでしたから、その比率には8.8倍もの差があります。
たとえば、彼らは自分の失敗を堂々と語り、社内ブログに「失敗図鑑」として公開していたりもします。最初は半分自虐のつもりで始めた人も多いようですが、意外にもその記事が社内で好評を博し、閲覧数トップ10入りするケースも少なくないようです。
失敗をさらけ出す理由は明確です。自分が失敗した話こそ、他の人の教訓になると気づいているからです。自分のつまずきを共有すれば、同じ落とし穴に誰かがはまらずに済む。いわゆる再発防止策を周囲に配っているのです。
――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』(越川慎司 著)より
「弱みを見せたら、舐められて指示が通らなくなるだろう」と信じて続けている人は少なくない。
しかし、評価されているベテランたちの行動は、それとは真逆だったのだ。
「失敗しない人」より信頼されるのは、「失敗を恐れない人」
彼らは、上司が失敗をさらけ出すことでもたらされる「心理的効果」を直感的に理解している。
自分の弱さを見せることで、周囲の人も弱さを見せやすくなります。とくにリーダーが失敗を語ると、部下は「この人も悩みながらやってきたんだ」と安心でき、挑戦や提案のハードルが下がります。
期待されている人たちは、この効果を直感的に理解しているからこそ、自分の失敗談を恥ずかしがらずに語り、失敗を隠さない文化を率先して作り出しているのです。
――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』(越川慎司 著)より
会議での発言ミス、プレゼンでの説明不足、プロジェクトでの判断ミス。
多くの人は、自分の失敗をこっそり心にしまい込む。
しかし、期待されている人たちは、失敗を共有する勇気が信頼を生むことを知っている。
――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』(越川慎司 著)より
プライドに固執して過去のミスを隠す人間に、組織の未来を育てることはできない。
自分の失敗を共有することで誰かが救われるならそれでいいと腹を括り、そのつまずきを組織の資産へと変える。
それができる人だけが、生涯にわたって絶大な信頼を集め続けるのである。
(本稿は、越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』の内容を抜粋・編集した記事です)
株式会社クロスリバー 代表取締役社長
日系通信会社や外資ベンチャーなどを経て2005年にマイクロソフト米国本社へ入社。その後、日本マイクロソフトの役員としてExcelやPowerPointなどの事業責任者を務める。2017年には週休3日・複業を実践する会社、株式会社クロスリバーを設立し、800社以上の働き方改革を支援。年300回以上提供する企業向けオンライン講座の受講者満足度は平均96%、行動に移す受講者は95%以上。著書は『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)や、『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など33冊、累計130万部。NHK、TBS、テレビ東京、PIVOT、NewsPicksやReHacQなどメディア出演多数。








