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「出世なんてしたくない」と思っている人は多いだろう。責任は増え、管理職は大変そうだからだ。しかし、その甘い考えのままでは、将来的に窮地に陥る可能性がある。元マイクロソフト役員で、ビジネスパーソン17万人の行動と評価データを分析してきた越川慎司氏が明かす、その理由とは? (構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
なぜ今、「出世」を真剣に考えるべきなのか
今の時代、「出世なんてしたくない」「管理職になんかなっても、しんどいだけ」という人は多いだろう。
しかし、そうは言っていられない時代が迫っている。
最大の要因は、AIの登場だ。
ChatGPTをはじめとする生成AIの普及により、文章作成、データ分析、プログラミング、さらには企画書作成まで、AIがサポートしてくれる時代になった。
スマートフォンがあれば誰でも高品質な写真を撮れるように、AIがあれば誰でも一定レベルの仕事ができる。
要するに、スキルで差がつきにくい時代になったのである。
というより、もはやスキルはAIに取って代わられるようになったと言える。
これまで極めてきたスキルが、いつ、AIに代替されるかわからない時代なのだ。
AI時代でも「必要とされ続ける人」とは?
では、この時代の組織で生き残れる人とは、どんな人なのだろう。
ビジネスパーソン17万人の働き方と人事評価を分析してきた越川慎司氏は、こう提言している。
それは、「でかい仕事」ができる人です。
AIは個人のスキルを高めてはくれますが、人と人とのシナジー(相乗効果)を生み出し、組織全体のポテンシャルを最大化した「でかい仕事」ができるのは、やはり人間であることがAI解析でわかったのです。
実際、弊社の調査でも、組織に評価されて昇進を果たした人の88%が「個人の技術力よりも、チーム全体を動かす力が評価された」と回答しています。
また、制度設計に関わる61%の人事担当者が「AI時代だからこそ人間関係構築能力を重視している」と答えています。
(越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より)
AIにはできないこと。
それは、人と人、知識と知識、経験と経験、部署と部署をつなぎ、「でかい仕事」をすることだ。
AIの活用によって個々人のスキルが飛躍的に高まるこれからの時代は、「相乗効果」を生み出せる人だけが、組織で必要とされるのである。
「仕事ができる」だけでは、人生は変わらない
そして、越川氏はこうも述べている。
「でかい仕事」をするための最善策が、「出世」することです。
組織に所属する多くの人を動かして価値を生み出すには、やはりポジションと権限が最大の手助けになるからです。
出世とは、ただの肩書きや給与の話ではなく、影響力を持ちインパクトのある仕事をするための手段なのです。
(越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より)
「仕事ができる」ことも、「頭がいい」ことも大事だ。だが、能力がどれだけ優れていても、他の人と同じ仕事をしていれば、給料は同じ。
つまり、仕事ができて頭がいい「だけ」では、人生は何も変わらない。
現場でできる仕事には限界がある。
仕事のレベルを上げる、給料を増やす、武器になる知識や経験を得る……。そのためには「出世」が欠かせないのである。
これが、本当の意味で安定した人生と言えるだろう。
いつAIに取って代わられるかわからない不安を抱きながら、現場の仕事に甘んじるか。
それとも、出世し、より大きな仕事をして成果を出して、組織にとって必要な人材を目指すか。
その選択と覚悟が迫られている時代なのだ。
株式会社クロスリバー 代表取締役社長
日系通信会社や外資ベンチャーなどを経て2005年にマイクロソフト米国本社へ入社。その後、日本マイクロソフトの役員としてExcelやPowerPointなどの事業責任者を務める。2017年には週休3日・複業を実践する会社、株式会社クロスリバーを設立し、800社以上の働き方改革を支援。年300回以上提供する企業向けオンライン講座の受講者満足度は平均96%、行動に移す受講者は95%以上。著書は『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)や、『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など33冊、累計130万部。NHK、TBS、テレビ東京、PIVOT、NewsPicksやReHacQなどメディア出演多数。








