『羆嵐』(c)吉村昭(原作)加藤キャシー(漫画)/新潮社
日本史上最大の獣害事件「三毛別羆事件」を題材に、人間と自然の圧倒的な力の差を描くマンガ『羆嵐』。深い山中でヒグマと遭遇した三毛別の区長・大川嘉吉と養子の少年・幸雄。絶体絶命の窮地を救ったのは、「鬼銀」の異名で恐れられる羆撃ち・山岡銀四郎だった。しかし、この遭遇は後に起こる未曾有の惨劇の始まりに過ぎなかった。戦慄の実話をもとに描かれる第1話後編を掲載する。
【あらすじ】
「俺達に“次”なんてねぇ」
自らの命も危険にさらされる至近距離で、羆撃ち・山岡銀四郎はそう言い放つ。山中でヒグマに遭遇した大川嘉吉と幸雄は、銀四郎の命懸けの一撃によって九死に一生を得る。自らも命を懸けて銃を構えた銀四郎は、一発でヒグマを仕留める卓越した腕前を見せる。
一方、嘉吉は「人間は弱いから助け合うんだ」と叫び、自分より弱い者に手を差し伸べることこそ開拓民の支えだと訴える。その言葉を聞いた銀四郎は、「俺は“悪い”とは言ってねぇよ」と応じ、二人の間にはわずかな変化が生まれる。
その後、銀四郎は襲ってきたヒグマが親離れしたばかりの若い個体だったと説明し、成獣なら助からなかったと語る。無事に三毛別へ戻った嘉吉は、幸雄を待ちわびていた養親たちと再会し、村人たちも安堵の表情を浮かべる。
しかし、村では「鬼銀」と恐れられる銀四郎に誰も近づこうとせず、張り詰めた空気が漂う。それでも銀四郎は礼として米と酒を受け取ると村を後にし、嘉吉とも別れることになった。
数カ月後の大正4年12月。血相を変えた男が三毛別へ駆け込み、「幸雄がやられた」と叫ぶ。その知らせとともに、後に日本史上最大の獣害事件として語り継がれる「三毛別羆事件」が幕を開ける。平穏だった開拓地は、5日間に及ぶ未曾有の惨劇へと飲み込まれていく。
※マンガ内にショッキングな描写があり、一部を黒塗り加工しています。
『羆嵐』(c)吉村昭(原作)加藤キャシー(漫画)/新潮社
『羆嵐』(c)吉村昭(原作)加藤キャシー(漫画)/新潮社







