任せたはずなのに、数字が出ないと不安になって口を出してしまう――そのサイクルを繰り返しているなら、問題は部下の能力ではなく、設定した期間にあるかもしれない。

「最短期間での成果」を求めることが、介入の原因になる
新しい業務を任せるとき、上司はつい早期の成果を求めてしまいがちだ。
「3ヶ月でフォロワー1万人を目指してくれ」といった形で、
短い期間に具体的な数字を設定することが多い。
意欲的な目標を持つこと自体は間違っていないが、
この短期的な成果への期待が、後から上司自身を苦しめることになる。
数字が思うように伸びない期間が続くと、上司の中に焦りが生まれる。
「やっぱり任せられない」という思いが湧き、
気づけば部下の仕事に介入してしまう。
これは以前の記事で触れた「部下の仕事を奪ってしまう上司」のパターンとも重なる。
任せるという決断が、短期的な成果への焦りによって崩れていくのだ。
育成とは、時間を投資することだ
例えば、「SNSでの集客を任せる。3ヶ月でフォロワー1万人を目指してくれ」といった具合です。
しかし、部下に短期的な成果を求めると、すぐに上司には焦りが生まれ、少しでも数字が悪いと「やっぱり任せられない」と介入する原因になります。
育成とは、時間を投資することです。
「最初の半年は試行錯誤の期間でいい。数字は出なくていいから、勝ちパターンを見つけてくれ」と、「待てる期間」を提示してください。
期間に余裕があれば、上司も「失敗も経験のうち」と腹をくくることができ、部下の仕事を奪う頻度が激減します。
著者が示す解決策は、「待てる期間」をあらかじめ設定して部下に伝えることだ。
「最初の半年は試行錯誤の期間でいい。数字は出なくていいから、勝ちパターンを見つけてくれ」――
このように期間と期待値を明確に示すことで、
上司も部下も、同じ前提のもとで動けるようになる。
期間に余裕があれば、上司は「失敗も経験のうち」と腹をくくることができる。
数字が出なくても、それは設定した試行錯誤の期間の中にある出来事として受け取れる。
焦りが生まれにくくなることで、部下の仕事に介入する頻度が大幅に減っていく。
「任せる」には、時間軸の設計が必要だ
部下に任せると言いながら細部に口を出し続けることは、
実質的には任せていないことと同じだ。
しかしその介入の多くは、上司の「悪意」から来ているのではなく、
設定した期間に対する「焦り」から来ている。
つまり、任せ方の問題ではなく、期間設計の問題だということになる。
育成を「時間への投資」として捉えることができれば、
短期的な数字の不振は、投資期間中の自然な状態として受け止められるようになる。
部下が勝ちパターンを見つけるまでの時間を、上司が意図的に確保すること――
それが、本当の意味で仕事を任せるための、最初の設計になっていく。
新しい仕事を部下に任せるとき、成果の期限より先に「試行錯誤してよい期間」を伝えることだけでいい。
(本記事は、書籍『コンサル時代に教わった 仕事ができる上司の当たり前』をもとに作成しました)



