勇気でも、覚悟でもない…迷いが晴れる「6文字の言葉」にハッとした〈風、薫る第86回〉

直美、派出看護を行おうと考える

 再び、東京。直美(上坂樹里)は派出看護について前向きに考えはじめていた。

 まず、木村(前野朋哉)から派出看護の事例を聞く。

 病院が看護婦を派出しているのは中等以上の家。料金はお金のある患者に対して1日50銭ほど。

 木村は以前からなんとなくのらりくらりと他者の話を交わすタイプに見えるが、藤田(坂口涼太郎)と同じく直美にうまく動かされているのか。わざわざ自分で調べたようだ。

 いずれにしてもこの病院の医者が慈善で治療するのは難しいと思う、というのが木村の見解だった。

「では看護婦だけで患者の家に行くのならできますかね」と聞く直美。

 そのとき、窓の修理をしている柴田(飯尾和樹)の気配を察知。また、スパイを働いているのかもしれない。だが、直美は気づいていながら、話をやめない。

 木村は、看護婦だけで行うのは難しいだろうと言う。

「それは一番君がよくわかっているんじゃないか」というのは、直美が文(内田慈)の看護で疲弊したことを指しているのだろうか。

 その場は「そうですよね。わかりました。ありがとうございます」とおとなしく引き下がる直美だったが、その足で、今度は捨松(多部未華子)のところに出向く。

 トヨ(松金よね子)や文のような人たちを少しでも救いたいと直美は思っている。だがなかなか採算がとれない。裕福な人から看護料を受け取り、貧しい人にはただで看護するという、ある種の富の再分配である。

 だが大学病院ではそういうわけにはいかない。

 すると捨松は直美が個人的に派出看護の会を作ればいいと提案。日本にはまだないが、アメリカではすでに派出看護の会があるというのだ。

 直美が実現したら日本初となる。

 そんなだいそれたことをと躊躇する直美に、捨松は「難しいことは承知しています。でもそれに挑戦できる直美さんのことをうらやましくも思います」と励ます。

「うらやましい」そうきたか。その一言があったからこそ、続く捨松の言葉は、直美の胸にまっすぐ届いた。

 ここから話題は女性の社会進出がテーマになる。