9月15日、自民党総務会に臨む参院幹事長の石井準一。今回の党役員人事で更迭された。その余波は大きい Photo:JIJI
10月5日の臨時国会召集を前に首相、高市早苗の新体制がスタートする。本来なら臨時国会への準備を急ぐタイミングだが、今なお高市が推進した人事の後始末に追われる。参院幹事長人事を巡って燃え上がった火を消火できずにいるからだ。
自民党の役員人事を翌日に控えた9月15日、火の手は自民党本部で上がった。自民党参院議員会長の松山政司と党参院幹事長の石井準一が火花を散らした。石井は「立ち技も寝技もできる国会対策のプロ」(自民党幹部職員)。「参院のドン」、故青木幹雄の薫陶を受け、参院の国会運営全体を仕切ってきた。野党との人脈はピカイチ。参院は与党の自民党と日本維新の会の両党を合わせても過半数に4議席足りない。この状況で石井は水面下で野党側との折衝を重ね、皇室典範改正や副首都関連法などの成立に導いた。
高市にとって石井は大恩人のはずだが、石井の影響力の増大と歯に衣着せぬ直言を高市が疎ましく思っていたようだ。ただ高市といえども参院自民党の人事権を行使できるのは参院会長の松山だけ。そこで松山に「石井斬り」を強く迫っていた。石井も周辺に高市の動きについて「うすうす感じていた」と語り、同時に「やれるものならやってみろ」とも漏らしていた。その松山が人事の最終局面で単刀直入に石井に通告した。
「参院幹事長の再任はできない。あなたの健康が心配だ」
確かに石井が一時期体調を崩したことがあったのも事実だったが、この一言が石井の癇に障った。
「何であんたに私の体のことを言われなければならないんだ」
石井は自分の後任が誰になるのかも聞かずに席を立った。深い遺恨が生まれた。高市をよく知る自民党幹部によると、高市は後任の参院幹事長に総務会長の有村治子の起用を考えていた。有村は副総裁の麻生太郎が率いる麻生派に所属。有村なら麻生も石井の更迭を後押ししてくれるとの読みがあった。ところが麻生の反応は逆だった。







