話を聞くのがうまい人が会話の「最後」に絶対すること〈風、薫る第82回〉『風、薫る』第82回より 写真提供:NHK

今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラに関する著書を2冊出版し、毎日レビューを続けて12年めの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は第82回(2026年7月21日放送)「風、薫る」レビューです。(ライター 木俣 冬)

やはり、文が直美の母

 今度は美津(水野美紀)が看病に来た。看護婦の仕事が忙しいのに無理をして文(内田慈)の家に通っているのを心配したのだろう。

 りん(見上愛)は赤子の頃よく風邪を引く子だった。無事に大人になれるか案じたものだった。でも、首にネギを巻いたり、梅ぼしのお吸い物を飲ませたりすると治まる。

 りんが看護婦になったときに、なぜネギと梅干しが不調に効くのかわかったか聞いてみたが、「そしたら全くわからぬと」。美津はそんな話をしながら、理屈はわからないがお腹に優しいお吸い物を文のために作る。

 美津の話には2つの教訓がある。

・民間療法の時代から本格医療の時代になったとはいえ、民間療法だって悪くない。
・母が子を思う愛情は何にも勝る。

 直美(上坂樹里)が家に帰ってくると、寛太(藤原季節)が近所の子どもたちと遊んでいた。チャラいけど仕事はできる男。調査はばっちり。

 夕凪は柳川文で間違いないだろうと寛太は調べ上げてきた。決め手は文が直美に作り方を教えたミルク粥だった。

 お手柄の寛太。彼はいつも気取った、というかふてぶてしく悪だくみをしているように見える。

 小川(甲斐翔真)が登場するまでは、もしかして今後直美の相手役に?と思わせる使命もあったと想像できるが、小川の登場によって、その方向性はないと視聴者は感じている。となれば、クセのある人物全開でいけるだろう。そのほうが演じていて楽しいのではないだろうか。

 直美は文が母で間違いない、と確信すると緊張が走る。文の脈をとるとき、直美の脈がたぶん、揺れている。それでもりんと違ってちゃんと脈を測ることはできた。