勇気でも、覚悟でもない…迷いが晴れる「6文字の言葉」にハッとした〈風、薫る第86回〉『風、薫る』第86回より 写真提供:NHK

今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラに関する著書を2冊出版し、毎日レビューを続けて12年めの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は第86回(2026年7月27日放送)「風、薫る」レビューです。(ライター 木俣 冬)

黒川先生、新潟にいた

 第18週「岐路にて」(演出:新田真三)のはじまりは、環(英茉)が小学校に入学。記念写真を撮影する。

 美津(水野美紀)がこんなに老けて?と言っているが、昔の写真は精度がいまより低くて白く飛んでいるので、しわなどは映っていないと思うのだが、それはまあいい。

「おばあさま、いつも通りだよ」と環はあっさり。写真と自分の認識差はいつの時代もあるものだ。

 りん(見上愛)が働いているおかげで、環の女学校入学の道は着々と近づいている。

 その頃、新潟では、りんのもとに、黒川(平埜生成)が訪ねて来た。なぜ新潟に?

 りんのいる地域の大きな病院の跡継ぎで、こちらに戻っていたのだ。

 りんに看護婦(トレインドナース)として働いてくれないかともちかける黒川。

 傍からは願ってもない話のように思えるが、りんは悩む間もなく断る。

「君は本当に一生このまま看護に関わらないつもりなのか?僕は君のような患者のために悩める人こそ、現場にいるべきだと思うがね」

 黒川はりんのことをちゃんと理解していた。

 地元の人気店・例の飴屋で話をした黒川は、去り際、お菓子を残さずちゃんと食べていく。ちゃんとした人だ。

 黒川が去ると、横沢(井上祐貴)が近くの席で話を聞いていて「なんで断っちゃったんですか?」と惜しがる。

 横澤のなかに、看護婦に対する偏見があるのを知ったりんは、表情をピクリと変えて「看護婦は看護や衛生などを専門に学び、訓練を受けた人がつく仕事です。決して敬遠されるべきものではありません」と説く。

 東京でもまだまだ看護婦の存在は浸透していないであろうし、新潟ではなおさらいまだに偏見が根深いのだろう。新聞記者ですらこんな認識なのだ。