「うちの子は落ち着きがなくて、宿題にちっとも集中しない」――その悩みの解決策は、叱ることではなく、1日3分の習慣にあるのかもしれない。睡眠、集中力、ストレス、老化……など、幅広い有効性が認められているマインドフルネスを日本で最も広めたベストセラー『世界のエリートがやっている 最高の休息法』。その内容に最新研究と音源を加えた『世界のエリートがやっている 最高の休息法[完全版]』が刊行された。本書には、教育現場で成果を上げているマインドフルネスの効果も書かれている。今回は、米国で30年以上診療を続ける現役の医師、著者の久賀谷亮氏のインタビューを掲載する。(構成/小川晶子、ダイヤモンド社書籍編集局)

「考えの浅い親」が子どもに対してやってしまうことPhoto: Adobe Stock

マインドフルネスで算数の成績アップ

――ビジネスの世界で注目されているマインドフルネスですが、子どもの教育や子育てにも応用できるのでしょうか?

久賀谷亮氏(以下、久賀谷):もちろんです。「宿題になかなか集中できない」「落ち着きがない」といったわが子の悩みを抱える親御さんは多いと思いますが、マインドフルネスは教育現場でも非常に盛んに取り入れられています。ニューヨーク市では8000校近くがプログラムを実践したという話もあります。

――具体的にどのような効果があったのでしょうか。

久賀谷:カナダの公立校で9歳前後の生徒を対象に行われた研究では、1日3回・3分間の瞑想などを4ヵ月間実践したグループは、そうでないグループに比べて算数の成績が15%も高くなりました。

攻撃性が下がり思いやりが育つ

――それはすごいですね!やはり集中力がアップしたのでしょうか。

久賀谷:集中力が高まっただけではないんです。

この研究では、算数のスコアや注意力だけでなく、さまざまな角度で効果を見ているのですが、マインドフルネスを実施した生徒たちは社交的な行動特性が24%高く、逆に攻撃性が24%低くなっていました。

認知や感情のコントロール力、プラス思考、思いやり、ストレスレベルなど、あらゆる面で対照群の生徒たちより優れた数値が出たのです。

――反抗期などにも効果がありそうですね。

久賀谷:ティーンエイジャーの行動が改善し、親子の関係性や親の自信にポジティブな影響をもたらしたという報告もあります。1日たった3分間瞑想を続けるだけで、親子ともにメタ認知(客観視)の力が上がり、意見の食い違いがぐっと減るのです。

考えの浅い親は無理強いをしてしまう

――ただ、子どもに瞑想を続けさせるのは難しそうな気もします。

久賀谷:そうですよね。子どもに無理強いして「修行」にしてしまっては逆効果です。

憧れのスポーツ選手や有名人が実践していることを教えたり、リラックスできる環境を作ったりして、自主的に取り組めるように工夫してみてください。

まずは親自身が楽しみながら実践する姿を見せることが、一番の近道かもしれません。