「毎日、目の前の仕事をこなすだけで1日が終わってしまう」。そんなふうに、自分のキャリアや人生の方向性にふと息苦しさを感じるビジネスパーソンは少なくない。がむしゃらに働き、ステップアップを重ねてきたはずなのに、ふと立ち止まったときに「自分がどこに向かっているのかわからない」という深い迷路に入り込んでしまうのだ。なぜ、私たちは「目的地」を見失ってしまうのか。世界中で愛読され続ける名著『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』から、そのヒントを紹介する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「毎日がただ忙しい」で終わる人が見落としている問い・ベスト1Photo: Adobe Stock

「消耗と充電」を繰り返すだけ?

「週末や休暇でリフレッシュして、また月曜日から頑張ろう」

 そう考えて、日々の過酷な業務を乗り切っている人は多いかもしれません。

 しかし、平日の激務でエネルギーを完全にすり減らし、週末の休みに「回復」させ、また同じ月曜日の日常へと戻っていく……。

 このサイクルを繰り返しているだけでは、人生の方向性が変わることはありません。

 ただ「消耗と充電」を繰り返しているだけなのです

 多くの人は、職場での昇進や成果を求められるプレッシャーに必死に応えようとするあまり、「自分の時間がいつの間にか他者の要求に支配されている」という異常事態に気づきません。

 もし昇進すれば、さらに働く時間と責任が増え、今度はさらに激しい充電と消耗の無限ループに突入することになります。

 私たちは自分の時間と健康を、せっせとお金に交換しているような感覚に陥っていないでしょうか。

世界の果てのカフェ』という本は、その不毛な取引に対して以下のような決定的な疑問を投げかけています。

「エネルギーを充電するって? 電池が切れて、充電して、電池が切れて、充電して……そんな繰り返しで前に進めるはずがないじゃないか?」
――『世界の果てのカフェ』より

人生という物語の「作者」になろう

 日々の忙しさを言い訳にして「いつか本当の人生が始まる」と先延ばしにしがちですが、その「いつか」はいつまで経っても訪れません。

 ただエネルギーの切れた電池を再充電して、再び過酷な現場に戻るという悪循環を断ち切るためには、現状維持のスパイラルに疑問を持つことが不可欠です。

 私たちは、他人の期待や社会の常識、あるいは「他のみんながやっていること」という理由だけで、自分の限られた時間やエネルギーを消費しがちです。

 もしあなたが、今の仕事や日々の生活に「消耗と充電の繰り返し」を感じているなら、さらに足をばたつかせて走り続けるのを一度やめてみましょう。

 人生の目的地を見失わないために必要なのは、しつもんカフェのメニューが提示した最初の問いに、主語を「自分」にして向き合ってみることです。

 他人に自分の人生という物語のペンを握らせてはいけません

 本書のオーナーが語るこの言葉は、私たちに当事者としての生き方を取り戻させてくれます。

「人生は素晴らしい物語なんだ。ただ、ときどき自分が作者だということを忘れてしまう。私たちは何でも好きなように書けるのさ」
――『世界の果てのカフェ』より

 まずは「自分はなぜ、ここにいるのか?」という問いに向き合うこと。

 他人に書かれた筋書き通りに生きるのではなく、自分の人生の主権を「自分」に戻す。

 それこそが、ただ多忙に流される毎日から脱却し、「自分第一」で生きるための最初の第一歩となるのです。