「自分のやりたいことは分かっている。定年退職したら、絶対にそれを始めるつもりだ」――。そう語りながら、結局は定年後も現役時代と同じような無気力な日々を送り、一生を終えていく人が後を絶ちません。やりたいことが見えているのに、なぜ最後の一歩を踏み出すことができないのでしょうか。書籍『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』をもとに、その理由を紹介する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「定年後」も後悔しない人の特徴・ベスト1Photo: Adobe Stock

なぜ「門」を開けられないのか?

 多くの人は、自分の望む理想の人生(存在理由を満たす生き方)を、頭の中では鮮明に描くことができます。

 しかし、彼らはフェンスの隙間からその美しい庭園をただ眺めているだけで、フェンスに取り付けられた「門」の取っ手に手をかけ、それを押し開けようとはしません。

 なぜなら、門を開けて外の世界に踏み出すことは、これまでの「慣れ親しんだ、安全だが退屈な日常」を手放し、不確実な世界へと自己の身を晒す恐怖を伴うからです。

 私たちは「準備が足りない」「時期尚早だ」と言い訳を重ねて、フェンスの前で立ち尽くし続けます。

 しかし、完璧な準備が整う日など、永遠に来ることはありません

世界の果てのカフェ』のエピローグで語られる、門の前に立ち尽くす人々の哀しい真実、そしてそこから歩み出す覚悟について、私たちは真剣に目を向けるべきです。

「多くの人が、門の向こうに自分の望む人生が見えているのに、ただフェンスの隙間からそれを覗き込んでいるだけで一生を終えてしまう。彼らは門を開けるのを怖がっているんだ。でも、一度その門を押し開けて踏み出してしまえば、そこには何の障害もないことに気づく。恐怖は、門を開ける前の自分の心のなかにしか存在しないのさ」
――『世界の果てのカフェ』より

定年後の唯一の後悔は、「もっと早く行動しなかったこと」

 高齢者に対する数々のアンケート調査において、彼らが人生の終盤に抱く最大の後悔は、決まって「失敗したこと」ではありません。

 ただ一様に、「もっと早く、自分のやりたいことを行動に移せばよかった」という、行動しなかったことへの後悔なのです。

 私たちは、失敗を恐れて行動を制限しますが、本当に恐れるべきは、失敗することではなく「何もせずにただ年齢を重ね、チャンスを永遠に失うこと」なのです。

 世界の果てのカフェから歩み出し、新しい一歩を踏み出したとき、私たちは誰しも自分の人生という物語の真の「作者」になります。

 フェンスを眺めるだけの観客席から立ち上がり、今日、その門の取っ手に手をかけましょう。

 門の向こうには、他人に支配されることのない、あなた自身の輝かしい物語が、今か今かとあなたを待っているのです。

「門を押し開けるのは、誰か他の人ではない。あなた自身の手だ。一歩を踏み出した瞬間、あなたは自分が人生の『作者』であったことを思い出す。もうフェンス越しに自分の人生を眺めるのはおしまいにしよう。今日、新しい一歩を踏み出すんだ」
――『世界の果てのカフェ』より

 これまで「いつかやろう」と温めていたアイデアや夢の中から、最も小さく、今日のうちにできるアクションを1つだけ選んで、今すぐ実行してしまいましょう

 関連する本を1冊買う、詳しい人にメールを送る、体験の予約を入れる……。

「準備ができてからやる」のではなく、「やるから準備が整う」のです。

 今日、あなたの人生の新しい門を、自分の手で力強く押し開けるのです。