「いつか時間ができたら」「お金が貯まったら」「仕事が落ち着いたら」。そう言って、やりたいことを後回しにしていないでしょうか。人生は、何かを始めるための「準備期間」ではありません。『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』には、何も成し遂げないまま人生を終えてしまう人が陥りがちな、ある生き方が描かれています。「何度読んでもハッとする」と話題の一冊から、相談者に響いた名言について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「何も成し遂げないまま死んでいく人」の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

人生は「なんとなく」でも進んでいく

 大学を卒業する。会社に入る。仕事を覚える。給料が上がる。
 結婚したり、家を買ったり、子どもができたりする。

 そうやって目の前のことをこなしているだけでも、人生は進んでいく。
 それ自体が悪いわけではない。

 問題は、「自分は何をしたいのか」を考えないまま、生活のパターンだけが固まってしまうことだ。

世界の果てのカフェ』という本には、こんな会話が出てくる。

「きみは、自分のやりたいことに多くの時間を費やしているかな?」
「正直、よくわからない。大学に行ったときも、何を勉強したいのかがよくわかっていなかった。結局、まあまあ好きな分野で、卒業後の就職が良いと多くの人に言われたことを学ぶという決断をした。学校を卒業したら、働きはじめた。すると、お金を稼ぐことに重きを置くようになった。やがてある程度の給料をもらえるようになり、なんとなく生活のパターンが定まってきたんだ」
――『世界の果てのカフェ』より

 この「なんとなく生活のパターンが定まってきた」という言葉は、多くの人に当てはまるのではないだろうか。

 大きな失敗をしたわけではない。むしろ、ちゃんと生きている。
 それでも、「自分がやりたいこと」を選ばないまま人生が進んでいる

 ここに怖さがある。

「いつかやる」は、やらないのと同じ

 では、なぜやりたいことをやらないのか。本書では、こんな疑問が語られる。

「さっき話していたことだよ。なぜぼくたちは、やりたいことを今すぐやるのではなく、やりたいことができるときに備えて、こんなに多くの時間を費やすのかな?」
――『世界の果てのカフェ』より

 いつか独立したい。
 いつか海外に住みたい。
 いつか本を書きたい。
 いつか好きな仕事をしたい。

 けれど、「今」は忙しい。
 だから、お金を貯める。仕事で経験を積む。生活を安定させる。

 もちろん、準備は必要だ。
 しかし、準備だけを10年、20年と続けていたらどうなるだろう

 40歳になり、50歳になり、60歳になる。
 そして、ようやく時間ができた頃には、体力も環境も人間関係も変わっているかもしれない。

「いつか」は、何もしなければ永遠に「いつか」のままなのだ

毎日は「人生を始めるチャンス」

 だからこそ、本書のこの言葉が重要になる。

「私は気がついた。私にとって、毎日が質問の答えを満たすためのチャンスなんだよ。やりたいことをするチャンスは毎日ある。『引退』まで待つ必要なんてないのさ」
――『世界の果てのカフェ』より

 やりたいことをするために、会社を辞める必要はない。
 人生を全部変える必要もない。

 本を書きたいなら、今日1ページ書けばいい。
 海外で暮らしたいなら、まず行きたい国について調べればいい。
 新しい仕事をしたいなら、その仕事をしている人に会ってみればいい。

 重要なのは、「いつか」のために準備するだけではなく、今日から少しだけ始めることだ

ワースト1は「人生をずっと準備期間にする」

「何も成し遂げないまま死んでいく人」の特徴・ワースト1。
 それは、「やりたいことを『いつか』に先送りして、人生をずっと準備期間にしてしまうこと」ではないだろうか。

 何かを成し遂げるというのは、大金持ちになることでも、社会的な成功を収めることでもない。
 自分が本当にやりたかったことを、自分の人生で実際にやることだ。

 そのためのチャンスは、「引退したら」やってくるのではない。

 今日もすでにやってきている
 人生を「いつか」のために使うのではなく、今日を、自分のやりたいことのために使う。

 その積み重ねが、「自分の人生を生きた」と最後に思える人生につながっていくのである。