GMO代表「在宅勤務はマイナス」発言に波紋…タイピング数でも生産性でもない、組織を壊す〈本当の敵〉の正体タイピング数でも生産性でもない、組織を壊す〈本当の敵〉の正体とは Photo:PIXTA

出社回帰を宣言したGMO代表のSNS投稿が騒動となった。LINEヤフーやアクセンチュアなど、リモート勤務を推奨してきた大手企業が、急に出社回帰しているのはなぜなのか?タイピング数や生産性とは異なる、組織を分断させる「本当の敵」とは。(未来調達研究所 坂口孝則)

出社回帰というトレンドは妥当か?
GMO代表のSNS騒動から読み解く

 最近また「出社」にまつわる働き方の議論が話題となった。GMOインターネットグループが7月13日付で、在宅勤務を推奨する方針を完全廃止した。同グループの熊谷正寿代表がSNSで「在宅勤務はマイナス」といった旨を発信すると、賛否両論が巻き起こり、ちょっとした騒動にまで発展した。

 1週間後、熊谷氏は「『表現の過剰性』で誤解を生んだ」と謝罪を表明した。一方で、「原則出社」というグループの基本方針は変更していないようだ。介護、育児、通院といった個別の事情には柔軟に対応するものの、基本的には出社回帰、RTO=リターントゥオフィスを宣言して、それを撤回したわけではない。訂正の対象は内容ではなく、トップのSNS発信の「言葉の選び方」だったというわけだ。

 出社回帰の風潮は、何もGMOグループだけではない。むしろコロナ禍でリモート勤務の風潮をリードしてきたような大手企業が、現在は反動のような形で急進に出社回帰している。

 代表例がLINEヤフーだろう。コロナ禍が収束して以降、段階的に出社義務を課してきた。2025年にはフルリモートを撤廃し、原則週1回~月1回の出社へと転換(部門によって詳細は異なる)。そして今年から出社頻度を原則週3回へと引き上げた。あるいは、コンサルティングファームのアクセンチュア(日本)も週5日のフル出社が原則になった。

 AIが定型タスクを処理する時代だからこそ、人間は同じ空間に集まり、創造的な議論や迅速な意思決定を行う必要がある。わざわざオンラインミーティングを設定するよりも、その場でさっと対面で話したほうが早いケースも多い。

 出社回帰がむしろ今はトレンディといっても過言ではない。