急落した銘柄を見ると、「そろそろ反発するはず」と手を出したくなるもの。しかし、値ごろ感だけで飛びついた結果、その後もズルズルと下落が続き、含み損を抱えてしまった経験がある方も少なくないでしょう。「テクニカルとファンダメンタルズを総合的に見て判断できれば、投資で成功する確率を高められる」と話すのは、2000億円超を運用した元ファンドマネジャーで、楽天証券の窪田真之さん。この記事では、下落局面における投資判断のポイントを紹介します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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下落している株を、買ってもいい?
株価が急落すると「そろそろ底を打つのでは」と買いに動きたくなります。
ただし、下げている銘柄を、値ごろ感だけで購入すると、そこからさらに下落が続くケースも珍しくありません。それでは、下落局面でも買いを検討できるのは、どのような銘柄なのでしょうか。
窪田さんの著書『株トレ』で紹介されている考え方を参考に整理してみます。以下のチャートをご覧ください。
A社のチャート
A社の株価は、3カ月前の1,000円から800円台まで値を下げ、直近1カ月半ほどは800~850円のレンジ内で動いています。
また、A社のファンダメンタルズは以下の通りです。
・年間配当金は1株あたり50円(予想配当利回り6.25%)
・財務は良好
・過去10年にわたり配当を維持
・株価下落の背景は日経平均全体の急落であり、A社固有の悪材料は見当たらない
チャートのみで判断するなら「静観」が妥当
窪田さんは、テクニカル面だけを根拠にするなら「様子見」が無難だと言います。
1,000円から800円への急落局面で生じた下落モメンタムは、まだ完全には収まっていません。
25日移動平均線は下向きに推移し、株価も移動平均線を下回ったままです。この状態が変わり、移動平均線が上向きに転じて株価がそれを上抜けるまでは、買いを見送るのが無難です。
とはいえ、チャートから「売り」と結論づけることもできません。ここ1カ月半は800~850円というレンジで値動きが収まっており、移動平均線も下向きから横ばいへと変化しつつあるためです。
下落の勢いは徐々に和らいでいますが、この先さらに安値を試すのか、それとも底値圏でのレンジ相場が続くのかは、チャートだけでは判断できません。
高配当株として長期投資なら「買い」の判断も
短期的に見れば下落リスクはなお残るものの、長期投資の視点に立てば、高配当銘柄として「買い」だと窪田さんは判断します。
株価の下落によって、予想配当利回りは6.25%まで上昇しています。財務内容に問題がなく、過去10年間に減配実績がないことに加え、今回の下落がA社固有の悪材料ではなく、市場全体の地合い悪化によるものだからです。
ただし重要なのは、単に予想配当利回りの高さだけで銘柄を選ぶのではなく、長期にわたり保有しても減配リスクが低い銘柄を見極めることです。配当利回りは確約されたものではなく、減配となれば利回りは下がり、それに伴って株価がさらに下押しされる可能性があります。



