「考える力のある子になってもらいたい」と、子を持つ親なら誰もが思うはずだ。しかし、子どもに自発的に「思考力を磨いてもらう」ことは難しい。そこで今、注目されているものがある。Google、Apple、Microsoftなどの入社試験や、小学校・中学校の受験問題でも出題され、思考力を鍛える練習としても注目される「論理的思考問題」だ。その1問を紹介しよう。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
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「本当の考える力」を高める問いとは?
「考える力を高めたい」
そのために最適な「練習」があります。
それが、論理的思考問題です。
知識や難しい計算は必要とせず、問題文を読んでじっくり考えれば、誰でも答えを出せる。
まさに「じっくり考える力」だけが問われる問題です。
そのため、小学校や中学校の受験問題としても出題されています。
事実を疑って考えられるか?
たとえば、こんな問題です。
あなたは、2人の同僚と一緒にホテルに泊まりに来た。
宿泊料は1人1万円、合計3万円を受付係に渡した。
ところがその後、3人の場合、宿泊料は2万5000円だったと気づいた受付係は、5000円を返そうとした。
しかし受付係は「5000円は3人で割れない」と考え、2000円をポケットにしまい、残りの3000円を3人に返金した。
3万円を支払った後で3000円返ってきたので、3人は合計2万7000円を支払ったことになる。
受付係がくすねた2000円を足すと2万9000円。
残りの1000円はどこに消えたのだろう?

一見すると、「本当に1000円が消えてしまったのでは?」と思ってしまう問題です。
しかし、この問題には数字のトリックが仕掛けられています。
一緒に考えてみましょう。
問題文を疑ってみよう
まずは、最後の部分をもう一度見てみましょう。
ここで、「3万円支払い、その後3000円が返ってきたので、実際に支払ったのは2万7000円」という計算自体は正しいものです。
問題は、その次の一文です。
「受付係がくすねた2000円を足す」という計算そのものが間違っています。
なぜなら、3人が支払った2万7000円には、すでに受付係がくすねた2000円が含まれているからです。
つまり、
という内訳になっています。
そのため、本来は2000円を足すのではなく、
2万7000円から2000円を引けば、ホテルが受け取った2万5000円になる
と考えるのが正しいのです。
お金の流れを整理してみると
数字だけでは混乱しやすいので、お金が誰の手元にあるのかを順番に整理してみましょう。
最初の状態では、
受付係:5000円
ホテル:2万5000円
となっています。
3人が支払った3万円は、ホテルと受付係に分かれているので、金額はきちんと一致しています。
その後、受付係が3000円を返金すると、
受付係:2000円
ホテル:2万5000円
という状態になります。
ここでも、3人が支払った2万7000円と、「ホテル2万5000円+受付係2000円」は一致しています。
つまり、お金の総額は最初から最後まで変わっていません。
問題文では、このあとに「受付係がくすねた2000円を足すと2万9000円」と続きますが、この足し算こそが錯覚の原因です。
1000円がなくなったわけではなく、最初から、間違った数字どうしを足していただけなのです。
正解
1000円は消えていない。
前提を疑い、何事もしっかり確認しよう
正しくない事実であっても、それが当たり前のように書かれていると、つい信じてしまいますよね。
たとえ計算が得意でも、前提となっている計算方法が間違っていれば、正しい真実には辿り着けません。
学校のテストなら、与えられた問題を解くだけで答えが導けます。
ですが現実の世界では、示された設定や前提から疑い、何事も「しっかり確認する」ことが大切なのです。
「数字を使って人を騙す方法」は実際によく使われるので、とくに注意したいですね。








