合っているのは「ホイ」と「ロー」で、「鍋」は中国語で「コー」とは読まない。もし、ラーメン屋で「ホイグオロー定食ください」と店員に言ったら、一瞬「?」と怪訝な顔をされるかもしれない(似ているので何となく理解できるだろうが……)。
なぜ「ホイグオロー」が
「ホイコーロー」になったのか
なぜ、回鍋肉だけ「ホイグオロー」ではなく「ホイコーロー」という読み方になり、それが日本に定着したのか。
その理由をいろいろ調べてみたが、わからなかった。もしかしたら四川方言?と思って四川省出身の人に聞いてみたが、どうも違うらしい(もちろん、四川省はとても広いので、どこかの町の方言に近い可能性は否定できないが……)。
そこで思い出したのは味の素の中華合わせ調味料シリーズ「Cook Do」だ。
1978年に発売されて以降、日本人の舌に多大な影響を与えてきたシリーズで、その中に回鍋肉もある。
現在のパッケージには「回鍋肉」の横に「豚肉とキャベツの中華甘辛みそ炒め」と書いてある。発売時に、日本人が読みやすいようにと「ホイコーロー」になったのかもしれない。
いずれにしても、日本では「ホイコーロー」として定着し、老若男女に人気がある中華料理となった。
私は2019年に出版した本『中国人は見ている。』の取材をしていたとき、当時、都内に住んでいた中国人の友人、李海さんから衝撃的(!)な話を聞いた。それは、回鍋肉に使う野菜はキャベツではなくニンニクの葉(葉ニンニクともいう)だという話だ。
李さんは四川省眉山出身で高校卒業後に来日。名古屋大学などで学んだあと、都内にある中国系メディアに就職。現在は貴州省にある貴州民族大学で教鞭をとっている。
記者会見などで顔を合わせる機会があり、友人になったのだが、李さんと食事していたとき、ふと四川料理の話になった。
李さんが日本で食べた四川料理のうち、最も「これは全然違う!」とショックを受けた料理が回鍋肉だったという。「え、どういうこと?」と私は驚いて、じっくり話を聞くことにした。







