外食バトルロイヤルPhoto:ABACA PRESS/JIJI

自民党が衆議院議員選挙の大勝を受け、「食料品消費税ゼロ」の議論が始まった。インフレ対策として浮上した減税案に、外食産業からは甚大なダメージを与えかねないという怨嗟の声が噴出している。26年1月30日には日本飲食団体連合会が片山さつき財務相に緊急要望書を提出。同2月25日には日本フードサービス協会も声明を発表して事態の深刻さを訴えた。連載『外食バトルロイヤル』の本稿では、外食企業が恐れる、食料品消費税ゼロによる二つの懸念点を解説する。

食料品消費税ゼロが現実的に
外食企業にとって凶報か

 2026年2月8日に投開票が行われた衆議院議員選挙で、自民党が316議席を獲得。歴史的大勝を収めた。

 これにより、高市早苗首相が選挙前から公約として掲げていた「食料品消費税ゼロ」政策の議論が加速している。

 食料品の消費税ゼロ政策は、物価高が進む中消費者の負担軽減を念頭に置いた政策だ。大和総研によると、この政策が実現した場合、一般家庭において年間で約8万8000円の負担軽減効果が見込まれるという。

 しかし、この減税政策に悪影響を受けるのが、外食企業だ。スーパーなどで食料品を買う場合の消費税はゼロに引き下げられる一方で、外食店での飲食は引き続き10%の消費税が維持される公算が大きいからだ。

 悪影響は、消費税の非対称性によって生まれる価格差で「客離れ」が起こるだけではない。外食業界を襲う“実質増税”のメカニズムを、日本の現在の税制度の解説とともに次ページでひもといていく。