「公務員は安定していて、毎日9時5時で帰れて気楽だ」と考えて、うらやましく思っている人がいるかもしれません。中には恵まれた環境の職場もあるかもしれませんが、国の中心である霞が関の実態はまったく違います。エリートが集まる官庁では、過酷な労働環境によって心身を壊し、辞めていく人が後を絶たないといいます。なぜ彼ら・彼女らはそこまで追い詰められてしまうのか。書籍『働き方の科学』より、元官僚の著者が明かす「職場のストレス」の残酷な真実を紹介します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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「9時5時」の5時は「朝の5時」だった
仕事上のストレスは、働き方に大きく左右されます。厚生労働省から研究者に転身した佐藤豪竜氏は、自身の厚生労働省での官僚時代の経験を振り返り、過酷な労働環境の実態を著書『働き方の科学』で次のように明かしています。
私の前職である国家公務員は、間違いなく高ストレス群に該当します。
「ブラック霞が関」という言葉があるように、働き方はブラック企業そのものでした。霞が関の激務を知らない人からは「公務員は9時5時で働けて良いですね」と言われることがありました。その「5時」というのは、実際には朝の5時でしたから、ある意味間違ってはいません。
昼夜問わず議員からの問合せや国会審議への対応が発生し、国家公務員はこれらの他律的な業務に素早くかつ正確に対応しなければなりません。
また、組織としての方針が決まっているので、一人ひとりの職員の裁量は意外にも大きくありません。過剰なストレスから心身の調子を崩し、休職してしまう同僚を数多く見てきました。
「ブラック霞が関」という言葉があるように、働き方はブラック企業そのものでした。霞が関の激務を知らない人からは「公務員は9時5時で働けて良いですね」と言われることがありました。その「5時」というのは、実際には朝の5時でしたから、ある意味間違ってはいません。
昼夜問わず議員からの問合せや国会審議への対応が発生し、国家公務員はこれらの他律的な業務に素早くかつ正確に対応しなければなりません。
また、組織としての方針が決まっているので、一人ひとりの職員の裁量は意外にも大きくありません。過剰なストレスから心身の調子を崩し、休職してしまう同僚を数多く見てきました。
官僚たちのエグすぎる「本音」
優秀な人材が集まっているはずの霞が関で、なぜこれほどまでに多くの人が休職に追い込まれてしまうのでしょうか。その背景には、個人の努力ではどうにもならない組織構造の闇がありました。
私は、厚生労働省の業務や組織を改革するための「若手チーム」のメンバーの一人でした。私たちが本省の職員と退職者にアンケートをとってみると、言葉を失うような意見が並びました(*1)。
「厚生労働省に入省して、生きながら人生の墓場に入ったとずっと思っている」(大臣官房、係長級)
「毎日いつ辞めようかと考えている。毎日終電を超えていた日は、毎日死にたいと思った」(保険局、係長級)
「仕事自体は興味深いものが多いと思いますが、このような時間外・深夜労働が当たり前の職場環境では、なかなか、一生この仕事で頑張ろうと思うことはできないと思います」(労働基準局、係員)
「家族を犠牲にすれば、仕事はできる」(社会・援護局、課長補佐級)
「今後、家族の中での役割や責任が増えていく中で、帰宅時間が予測できない、そもそも毎日の帰宅時間が遅い、業務量をコントロールできない、将来の多忙度が予測できないという働き方は、体力や精神的にも継続することはできないと判断した」(退職者)
「子どもがいる女性職員が時短職員なのに毎日残業をしていたり、深夜にテレワーク等をして苦労している姿を見て、自分は同じように働けないと思った」(退職者)
私自身も、厚生労働省の業務自体にやりがいは感じていたのですが、自分で仕事をコントロールできないことと、長時間労働で家族との時間がとれないことから退職を決めた一人です。
「厚生労働省に入省して、生きながら人生の墓場に入ったとずっと思っている」(大臣官房、係長級)
「毎日いつ辞めようかと考えている。毎日終電を超えていた日は、毎日死にたいと思った」(保険局、係長級)
「仕事自体は興味深いものが多いと思いますが、このような時間外・深夜労働が当たり前の職場環境では、なかなか、一生この仕事で頑張ろうと思うことはできないと思います」(労働基準局、係員)
「家族を犠牲にすれば、仕事はできる」(社会・援護局、課長補佐級)
「今後、家族の中での役割や責任が増えていく中で、帰宅時間が予測できない、そもそも毎日の帰宅時間が遅い、業務量をコントロールできない、将来の多忙度が予測できないという働き方は、体力や精神的にも継続することはできないと判断した」(退職者)
「子どもがいる女性職員が時短職員なのに毎日残業をしていたり、深夜にテレワーク等をして苦労している姿を見て、自分は同じように働けないと思った」(退職者)
私自身も、厚生労働省の業務自体にやりがいは感じていたのですが、自分で仕事をコントロールできないことと、長時間労働で家族との時間がとれないことから退職を決めた一人です。
ただし、現在は少し状況が変わってきているようです。『働き方の科学』ではこのようにも書かれています。
国家公務員の長時間労働が国会でも問題となり、私が働いていたときよりも労働環境はかなり改善したという話を元同僚から聞いています。在宅勤務が普及したおかげで、国会審議の準備のためにずっと職場で待機する必要がなくなったことが大きいようです。
また、以前はサービス残業がまかり通っていましたが、河野太郎・元国家公務員制度担当大臣が2021年に各府省庁に指示をしてからは、きちんと残業代が全額支払われるようになりました。
何より、社会のために政策を考える仕事はやりがいがあります。政策づくりに心からやりがいを感じていて、現在も厚生労働省で精力的に働いている元同僚の顔が何人も浮かびます。
また、以前はサービス残業がまかり通っていましたが、河野太郎・元国家公務員制度担当大臣が2021年に各府省庁に指示をしてからは、きちんと残業代が全額支払われるようになりました。
何より、社会のために政策を考える仕事はやりがいがあります。政策づくりに心からやりがいを感じていて、現在も厚生労働省で精力的に働いている元同僚の顔が何人も浮かびます。
最近は、国家公務員の離職を防ぐため、給与の引き上げも議論されています。霞が関でも「働き方改革」は徐々に進んでいるようです。
注
*1 厚生労働省改革若手チーム「厚生労働省の業務・組織改革のための緊急提言」厚生労働省、2019年、https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000540047.pdf
*1 厚生労働省改革若手チーム「厚生労働省の業務・組織改革のための緊急提言」厚生労働省、2019年、https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000540047.pdf








