
ダイヤモンド編集部の独自アンケートで、国家公務員も地方公務員も「待遇」への不満を募らせていることが分かった。年収に最も不満を持っている職員が多いのはどのお役所だろうか。特集『公務員の危機』の#31では、公務員442人から聞いた、「待遇、人事制度への不満・注文」を一挙に公開する。(ダイヤモンド編集部副編集長 千本木啓文)
名ばかり管理職の「降格」や
「解雇規制」の緩和を求める厳しい意見も…
公務員の志望者減少と、お役所からの人材流出が止まらない。その要因は、やりがいの低下や、働き方改革の遅れ、パワハラ対策の不備など多数あるが、最も大きいのは報酬が少ないことだろう。
ダイヤモンド編集部は独自に実施したアンケート(下図参照)で、公務員や日本銀行行員らに、待遇や人事制度について意見を聞いた。
すると、現役の公務員と日本銀行行員の過半が「現在の年収に満足していない」と答え、「満足している」との回答は2割にとどまった。具体的には、国家公務員と日本銀行行員で「年収に満足していない」と答えたのは回答者全体の52.3%、「満足している」は24.2%、「どちらとも言えない」は23.5%。都道府県職員はそれぞれ、52.5%、23.5%、24.0%だった。
また、省庁別の年収への不満度ランキングを作成した。ランキング上位のある省庁では、回答者の現在の年収と希望年収との差が平均381万円に上った。
人事制度への注文を聞いたところ、やはり報酬への不満が多かったが、昇進の基準の透明化や、360度評価の導入を求める声も目立った。国家公務員からは、パフォーマンスが悪い職員の解雇を求める意見も出た。次ページでは、アンケート結果の詳細を明らかにする。