「ナンピン買いはタブー」というのとセットになっているのが、「ロスカット(損切り)が必須だ」という言説です。

損切りせずに持てる株を
どう見極めるか

「自分の予想が違っていたら、損切りすべきだ」というだけならまだしも、「損切りを加味しないのは素人だ」とまで言い張る始末です。

 そういうことを言うエコノミストは、自分が推奨した銘柄で大損をされては困るから、適当なところで損切りをして切り上げなさいよ、といって保身に回っているのかな、とすら思えてしまいます。

 自分の買い値から1割や2割くらい株価が下がったからといって、損切りしないといけないような株なら、最初から買わない方がいいです。そんな株を買っている時点で、そういう人こそ素人です。

「損切りしなくていい株」を買うのが本当のプロです。

 そもそも株価というものは、1割や2割くらいは上下するのが当たり前ですし、毎回毎回ピタリと底値で買える人なんて、ほとんどいません(そんな人は、極めて希有な天才です)。

 最後に、優良企業の株価が大きく下がった実例を紹介します。それは、「アステラス製薬」の事例です。

 私が罹患している持病の治療薬を開発しているということで、やや肩入れして(=「応援するような気持ち」も多少働いて)、2023年10月から買い始めたのが、この「アステラス製薬」です。

 持病との関連で「応援したいから」というのは、この銘柄を手がけた理由のほんの一部でしかなくて、主な理由は、日本が誇る一流の製薬会社であり、安定高配当企業だからです。

 そして、この銘柄には、散々手を焼きました。株価に関しては、ずいぶん派手に、とっ散らかしてくれました。こんなに手を焼く事例は、10年に一度あるかないかくらいです。

 この企業の株式は、2023年10月に2080円で買い始めました(以下では、下落率の基準値を2080円とします)。