突然の異動でやってきた上司と合わず、心身を崩してしまう。精神科の診察現場では、そんなケースが後を絶ちません。まともに受け止めて心をすり減らす前に、知っておくべき「身を守るための具体策」とは? 精神科医の視点で解説する実践的なアドバイスに加え、精神科医自身が研修医時代に直面した、あまりにも理不尽なパワハラ体験もあわせてご紹介します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・斎藤順)
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。
Photo: Adobe Stock
理不尽な上司への対処法
本日のテーマは、「理不尽な上司への対策」についてです。精神科の診療現場では、体調を崩して仕事に行けなくなってしまった患者さんを多く診察します。そのきっかけについてお話を伺うと、「理不尽な上司に怒られた」「皆の前でパワハラを受けた」といったケースが非常に多いのが実情です。
これまで順調に仕事ができていたのに、異動でやってきた新しい上司と合わなかったり、逆に自分が異動した先の上司とうまくいかなかったりすることは、決して珍しい話ではありません。では、上司とうまくいかない時、私たちはどうすればよいのでしょうか?
そこで、身を守るための具体的な対策を4つご紹介します。
1.感情的にならず、淡々と対応する
まず一番大切なのは、「淡々と対応する」ということです。
上司から理不尽なことを言われたり、不当な評価を受けたりしても、感情的になって真正面から受け止めると、自分自身がしんどくなってしまいます。話は聞きつつも、「すべてその通りにする必要はない」と割り切り、まずは淡々と返事をすることが重要です。
2.客観的な事実を「記録」に残す
明らかにパワハラ的な言動や問題のある発言があった場合は、その場で書き留めておくことをおすすめします。
日記のように、「何月何日、◯◯について大声で2時間問い詰められた」といった事実のみを記録してください。「怖かった」「腹が立った」といった主観的な感情を交えてしまうと、いざという時の証拠として説得力を持ちにくくなります。
このような事実に基づいた記録は、のちに然るべき部署やさらに上の上司へ相談する際、非常に有力な証拠として機能します。双方の意見が食い違った場合でも、客観的な記録があれば「ファジーな感情論」として片付けられるのを防ぐことができます。
3.指示を要約して「聞き返す」
日常のやり取りの中で、上司の言っていることが明らかにおかしいと感じた時は、要約して聞き返すのが効果的です。
「このように進めればよいのですね?」
部下が上司の指示を確認するのは正当な行為です。毎回淡々と要約して聞き返すことで、上司自身も自分の発言のおかしさに気づくことがあります。また、「この部下は迂闊に理不尽なことを言うと、厄介なことになりそうだ」という隙のない雰囲気を出すことで、ターゲットから外れる(なめられなくなる)可能性が高まります。



