朝、すっきりと起きられない、あるいは夕方になると足がパンパンにむくむ……そんな日常の不調は、もしかすると全身の血液循環のメカニズムが大きく関係しているかもしれません。心臓だけでは賄えない「血液を戻す力」の秘密と、明日から実践できる血流改善のヒントを詳しく解説します。
※本稿は『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳』(ダイヤモンド社)をもとに編集したものです。

【脳の専門医が教える】まさか心臓だけじゃ足りない…全身の血流を促進する習慣Photo: Adobe Stock

心臓は「押し出す」けれど「吸い上げられない」?

朝、すっきりと起きるためには血管や脳の健康が欠かせませんが、実は私たちの体の中では、常に血液の循環をめぐる驚きのメカニズムが働いています。

日々の健康維持や認知症予防を考える上で、この「血液の戻り方」を知ることは非常に重要です。

私たちの心臓は、強力なポンプ機能で血液を全身に「押し出す」ことはできますが、実は血液を「吸い上げる」力は持っていません。
――『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳「ミクログリア」が味方する6つの習慣術』より

心臓は、絶え間なく全身に血液を送り出す力強いポンプとして知られています。しかし、全身を巡り終えた血液を自分の力だけで上へと吸い上げることはできません。特に足の先など、心臓から最も離れた場所にある血液を重力に逆らって心臓まで戻すには、心臓以外の力が必要不可欠になります。

全身の血液を押し戻す「第2の心臓」の正体

では、どうやって血液は心臓へと戻っているのでしょうか? その答えが、私たちの筋肉の働きにあります。

では、どうやって全身を巡った血液(静脈血)は心臓に戻ってくるのでしょうか? そのカギを握るのが、ふくらはぎなどに代表される「筋肉の伸縮(筋ポンプ作用)」です。
――『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳「ミクログリア」が味方する6つの習慣術』より

よく「ふくらはぎは第2の心臓」と言われますが、まさにその通りです。足の筋肉が動くことで、血管が物理的に圧迫され、重力で下がってきた血液を上へ押し上げる仕組みになっています。

私たちが身体を動かすことで、静脈の周りの筋肉が「収縮」と「弛緩」を繰り返し、それがポンプのように血液を心臓へと押し戻しているのです。
――『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳「ミクログリア」が味方する6つの習慣術』より

この筋ポンプ作用がしっかりと働くことで、脳や心臓へスムーズに血液が供給され、全身の血流が保たれます。逆に、デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けていると、このポンプ機能が低下し、むくみ血流の滞りを引き起こしてしまうのです。

今日からできる! 血流を味方につけるノウハウ

血液の循環を滞らせないためには、日頃から意識して体を動かすことが大切です。例えば、座りっぱなしの時間が多い日は、足首をこまめに回したり、つま先の上げ下げをしたりして「筋ポンプ作用」を刺激しましょう。

また、朝起きたときには布団の中で手足を大きく動かすことで、睡眠中に停滞しがちな血流をスムーズにスイッチオンにすることができます。

ちょっとした筋肉の伸縮を意識するだけで、脳への血流が改善され、日々のパフォーマンスや健康寿命の延伸に大きくつながります。毎日の習慣に、ぜひ取り入れてみてください。