お盆休み明けの「お土産」でわかる。二流の凡人と「気が利く一流」の違い。Photo: Adobe Stock

お盆休み明け、取引先に手土産を持参する人は多い。しかし、ただ普通に手土産を用意するだけでは、「その他大勢の凡人」に埋もれてしまう。社内外で評価される一流は、もう一段上の工夫をしていた。17万人分析のデータが明かす、相手の心を一瞬で掴む「本当に気が利く人」の工夫とは?(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
※本稿は、越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』の一部を引用した記事です。

「お土産」でわかる。二流の凡人と「気が利く一流」の違い

「お盆休み明けに会う取引先の人に、お土産を買っていこう」

上質な手土産を用意し、良好な関係を築こうと努めるビジネスパーソンは多い。

誠実な対応であり、十分な気配りに思える。

しかし、28社約2万人を対象としたAIデータ分析から、驚くべき差が浮かび上がってきた。

周囲から「あの人は本当に気が利く」「ぜひ一緒に仕事がしたい」と絶賛される一流は、手土産を渡す「数」と「渡した後の配慮」が、その他大勢の凡人とは根本から異なっていたのだ。

一流は手土産を「2つ以上」持参する

社内で高い評価を受ける優秀な人たちの行動データを見ると、意外な共通点が判明した。

28社1万9,678名に対するアンケート結果を見ると、期待されている人たちの61%が、手土産を「2つ以上」用意していることがわかったのです。
全体回答における比率では27%でしたので、2つ以上用意している人がかなり極端に偏っていることがわかります。
 

これは訪問先の相手だけでなく、その人の「周囲の人」まで視野に入れているからです。
1つは直接の相手へ。もう1つは部署やチームの人たちに渡してもらうためなのです。

 

「皆さんでどうぞ」と差し出すことで、その場にいない人まで巻き込み、気が利く人という印象を広げていました。
(越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より)

お土産を1つではなく2つ以上用意して手渡す。

それは手渡す相手だけでなく、その背後にいる「部署やチームの同僚たち」の存在まで頭に入っているからだ。

「皆さんでどうぞ」

こう言って2箱目を添えることで、直接顔を合わせていない周囲のメンバーにまで「気が利く人」という好印象を波及させていたのである。

「手に取りやすさ」と「後始末」まで配慮するのが本物

さらに一流の人々は、お菓子を渡して終わりにはしない。

「渡した後にオフィスでどう扱われるか」という細部まで想像力を働かせている。

・職場のみんなが配りやすいよう、必ず「個別包装」のものを選ぶ
・共用スペースで邪魔にならないよう、次回訪問時に「空箱の回収」まで行う

「そこまでやる必要があるのか?」と思うかもしれない。

しかし、この小さな気遣いの差を検証した実験データは、実に残酷な現実を示している。

ある会社の営業チームを以下の4組に分けて再現実験をおこないました。

 

・A組:通常通りの手土産を1つ用意
・B組:通常通りの手土産を2つ用意
・C組:個別包装の手土産を2つ用意
・D組:個別包装の手土産を2つ用意し、空箱回収

 

3か月後に「一緒に仕事をしたい」と評価された割合は、A組32%、B組47%、C組61%、D組74%でした。
(越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より)

単に手土産を1つ持参しただけのA組と、空箱の回収まで配慮したD組とでは、周囲からの信頼度に42%もの圧倒的な開きが生じたのだ。

ビジネスにおける信頼とは、大げさな戦略だけで作られるのではない。

こうした「相手やその周囲がどう感じるか」という仮説を立てた小さな気配りの積み重ねこそが、評価の決定打になっていたのである。

今日からできる、相手の心を掴む「プラス一手間」の気遣い

もしあなたが「取引先との関係を一段深めたい」「もっと信頼される存在になりたい」と感じているなら、次回の手土産で試すべきアクションは明確だ。

「手土産を2箱用意し、相手のチームや周囲への気配りを一言添えて渡してみる」

目の前の相手だけでなく、その「向こう側にいる人々」や「渡した後の現場」にまで思いを馳せること。

そのほんの少しの視点の広さこそが、あなたを「大勢の凡人」から「本当に気が利く一流」へと変える最大の鍵なのだ。

越川慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役社長
日系通信会社や外資ベンチャーなどを経て2005年にマイクロソフト米国本社へ入社。その後、日本マイクロソフトの役員としてExcelやPowerPointなどの事業責任者を務める。2017年には週休3日・複業を実践する会社、株式会社クロスリバーを設立し、800社以上の働き方改革を支援。年300回以上提供する企業向けオンライン講座の受講者満足度は平均96%、行動に移す受講者は95%以上。著書は『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)や、『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など33冊、累計130万部。NHK、TBS、テレビ東京、PIVOT、NewsPicksやReHacQなどメディア出演多数。