手堅く、できれば楽して儲けたいと願いながら、失敗が怖くて一歩を踏み出せない個人投資家は多いだろう。だが、投資の神様ウォーレン・バフェットも若い頃には手痛い失敗を重ねており、その失敗から学んで富を築いた。その手法は、『ウォーレン・バフェットはこうして最初の1億ドルを稼いだ』に書かれている。本連載では、本書の内容から、ウォーレン・バフェットの投資術をお伝えしていく。(構成:ダイヤモンド社書籍編集局)
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バフェットも失敗していた
あなたは投資で失敗するのが怖くて、なかなか動けずにいないだろうか。損をするのが嫌で、結局チャンスを逃してしまう人は少なくない。
実は、世界一の投資家と呼ばれるバフェットでさえ、二十代で二度の失敗を犯している。一つは割安に見えた織物会社の株で損を出し、もう一つは自ら週末に接客までしたガソリンスタンド経営で二千ドルを失ったのだ。
失敗を過度に恐れる人にこそ、本書は次のように語りかける。
間違いを犯さない投資家はいない。多くの間違いを犯すのだ。あなたも失敗するということを受け入れなければならない。(『ウォーレン・バフェットはこうして最初の1億ドルを稼いだ』より)
半値で買えるNCAV
二つの失敗を理解する前に、バフェットが投資の核心に据えた「正味流動資産価値(NCAV)」という考え方を知ってほしい。難しく聞こえるが、要は「会社がすぐ現金化できる資産から、借金をすべて差し引いた金額」のことである。
先ほどの織物会社は、実はこのNCAVの半値以下で売られていた。工場や土地の価値をゼロと見なしてもなお割安という、きわめて手堅い割安株に見えたのだ。本書はこう述べている。
信じられないかもしれないが、保有する流動資産の価値よりも安い価格で売られている企業が株式市場のどこかに埋もれている。(『ウォーレン・バフェットはこうして最初の1億ドルを稼いだ』より)
安さだけでは危ない
ところが、これほど割安だった織物会社の株で、バフェットは損を出してしまう。南部の工場や合成繊維との激しい競争に敗れ、赤字に転落したからだ。
ガソリンスタンドの失敗も、突きつめれば同じ原因だった。向かいの人気店は長年かけて評判を築き、常連客に愛されていた。たとえバフェットが週末に自ら接客しても、その根強い信頼だけは覆せなかったのだ。
この二つの失敗が教えるのは、数字(指標面での割安さなど)だけでは足りないということだ。顧客に愛される力を持つ身近な優良企業を選ぶ視点が欠かせない。本書はこう指摘する。
定性的要素も無視してはいけない。企業の競争力と経営者の質を理解することは、成功する投資の大半において最も重要なことだ。(『ウォーレン・バフェットはこうして最初の1億ドルを稼いだ』より)
失敗を味方にする
ここまで見てきた二つの失敗は、むしろ私たちに希望を与えてくれる。神様でさえ間違えるのだから、失敗を過度に恐れる必要はないのだ。
大切なのは、一つひとつの勝ち負けではなく、長期のトータルで勝つことだろう。
割安さと会社の質、この両方を見極め、失敗すら糧にしながら投資を続ければ、着実に資産を築けるかもしれない。



