つい見落としがちな“心が疲れている時の危険なサイン”。私たちの脳は日々、膨大な情報を賢く取捨選択しています。しかし、その機能が疲労で低下すると、日常のある「些細な変化」として警告を発するのです。「最近ちょっと頑張りすぎかな?」と感じる方は要注意。手遅れになる前に知っておきたい、脳からの重要なSOSサインとその対処法をお伝えします。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・斎藤順)
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。

【精神科医が教える】心の疲れがピークに達した人に現れる「見逃せない兆候」ワースト1Photo: Adobe Stock

心が疲れている時のサインとは?

実は危険な「心が疲れている時のサイン」についてお話します。心が疲れている時のサインにはさまざまなものがありますが、つい見落としがちな、とても重要なサインを1つだけ取り上げたいと思います。

それは、「普段は気にならないことが、気になり始める」という症状です。こうした状況が現れたら、心、つまり「脳」が疲れているサインだと捉えてください。

私たちの脳は、「視覚」「聴覚」「触覚」「嗅覚」「味覚」という五感を通じて、絶えず膨大な情報を受け取っています。しかし、その受け取った情報をすべて解釈し、意識に留めているわけではありません。

脳は無意識のうちに情報をフィルタリングしている

例えば、友達と楽しく会話しながら街を歩いている時のことを想像してみてください。すれ違う人々や周囲の景色など、目にはいろんな情報が入っているはずですが、そのすべてを記憶しているわけではないですよね。目的地が近づいてきたことや、話している友達の表情など、自分にとって見たいもの、必要な情報だけを認識しています。

音についても同様です。大勢の人が会話しているパーティー会場や雑踏の中でも、目の前で話している相手や、自分のグループの声だけは記憶に残っています。これは、周囲のあらゆる音をすべて処理しているわけではないからです。

情報を取捨選択する脳の「フィルター機能」

このように、私たちは膨大な情報を受け取っているにもかかわらず、意識にのぼる情報はごく一部に限られています。これは、脳の段階で情報にフィルターがかけられているからです。

自分にとって「いる情報」と「いらない情報」をしっかりと分け、不要な情報が入ってこないようにブロックしてくれています。この働きを担っている脳の部位として「網様体(もうようたい)」などが知られており、ここで情報の取捨選択が行われているといわれています。

脳が不要な情報を適切にカットしてくれるおかげで、私たちは情報過多でぐちゃぐちゃにならずに生活することができるのです。