ここ数年、地場百貨店が外部機関を通じて事業再生に着手するケースや、オーナーチェンジする事例が増えている。ただ、再生スキームに乗せることができればまだいい方で、先行きの見通しが立たず、閉店を決断する地場百貨店も目立つ。市場縮小と限られた経営資源のなか、これまで以上に難しい舵取りが求められている。
地場百貨店の売上高トップは、銀座と浅草という都内屈指の繁華街に店舗を持つ松屋(東京)。次いで、中国地区が地盤の天満屋(岡山)、3位は東北を代表する老舗の藤崎(宮城県)で、ともに地域を代表する名門百貨店だ。
だが、地場百貨店売上高の上位10社すべてが減収だった。そして、なにより上位10社の売上高合算は1907億円と、全国トップの髙島屋(売上高3280億円)の3分の2にも満たない。大手と地場百貨店との間には、圧倒的な事業規模の格差が存在する。
大手系列、地場独立系を問わず、2026年以降、全国で百貨店は8店舗が閉店する(予定を含む)。また、5年前に実施した集計(2020年度決算)では対象百貨店は70社だったが、この5年間で倒産、廃業が加速し、58社に減少した。
この間、百貨店空白県は山形県、徳島県の2県に、島根県、岐阜県が加わり、現時点で全国4県に増加した。また、百貨店が1店舗のみの「空白予備軍」も16県になった。
地域経済と事業環境が激変する中で、かつて燦然と輝いていた百貨店のブランドは消費スタイルの変化とともに低下し、名前だけで苦境に立ち向かう力は残されていない。それだけに、顧客満足と付加価値を提供できない百貨店は、今後も生き残りと淘汰のシビアな綱渡りが続くだろう。








