2022年、銀座のクラブでホステスに対して不適切な行為をしたとする報道が出ると、所属事務所は女性に不快な思いをさせたことを認め、香川も謝罪した。その後、TBSの情報番組『THE TIME,』を降板。トヨタ自動車をはじめとするテレビCMも放映が順次見送られ、テレビから急速に姿を消した。現在は歌舞伎や舞台、WOWOWドラマなどでは活動を再開しているものの、本格的な地上波復帰を果たせていない。

 俳優の小出恵介は2016年、当時17歳の女子高生と飲酒、肉体関係をもったことが報じられ、無期限活動休止となった。その後大阪府青少年保護育成条例違反の疑いで書類送検されたが、不起訴処分となった。小出は2020年に芸能活動を再開させ、ことし4月に地上波ドラマ復帰を果たしたが、実に9年ぶりのことだった。 

 お笑い芸人にも、長期間地上波から遠ざかった例は少なくない。

 松本人志は複数女性との性的行為をめぐる報道により、結果的に地上波から姿を消した。この松本と女性の飲み会に関与したと報じられた「スピードワゴン」小沢一敬も2024年1月から活動を自粛し、ことし3月にやっと復帰。ライブ活動を再開しているが、地上波復帰の道は険しいだろう。

「極楽とんぼ」山本圭壱は2006年、17歳少女への性的暴行容疑で書類送検され、その後不起訴となったものの地上波復帰までは10年かかり、その後も地上波ではほぼ見ない。

 もともと地上波の民放各局はスポンサー収入で成り立っており、イメージをひどく大事にする。香川や松本といった超大物であっても、一度女性とトラブルを起こしたと報じられれば、姿を消さざるを得ない。2024年年末の中居正広・フジテレビ問題でその傾向にさらに拍車がかかった。

会社員も他人事ではない
一晩で信用を失う酒席の代償

 ここまで芸能人側が失う仕事や信用について書いてきたが、何より重く受け止めるべきなのは、被害を訴えた女性が受けた苦痛だろう。

 そして、これは何も芸能人だけの話ではない。むしろ40代、50代の男性会社員こそ他人事ではない。セクハラやパワハラは個人的な問題ではなく、企業が対応すべきコンプライアンス問題としてすっかり定着している。

 では、会社員は日常のどんな場面に注意すべきなのか。とりわけ気をつけたいのが、仕事関係者との酒席だ。酒で判断力が落ちることに加え、会社の上下関係が重なると、本人は冗談や親しさのつもりでも、相手には拒否しづらい状況が生まれる。

 昔なら「酔っていたから」「冗談だったから」で済まされていたこと自体が、非常識であったと自覚しなければならない。まして中年になるほど会社での立場は上がるため、どうしてもハラスメント色が強くなってしまう。40代、50代で築いてきた社内での信用を、一晩の失敗で失う代償はあまりにも大きい。

 だったら最初から、自分が判断を誤りやすい状況を作らなければいい。酒が入れば普段ならしないような言動に及ぶ可能性も高まる。令和の今、会社の同僚や取引先と酒を飲むことは、リスクとリターンが合っていない。

 人間だから失敗することもある。しかし残酷なことに、社会は「一度くらいの失敗」を必ず許してくれるわけではない。人気芸能人ですら、代わりのタレントがいくらでもいると仕事を切られてしまう。まして会社員なら言わずもがなだ。

 そもそもあなたがしたいのは「酒を飲む」ことだろうか。「会社の同僚や取引先と交流を深める」ことだろうか。最近はどの居酒屋でもノンアルコール系の飲み物が置いてある。交流を深めるだけなら、アルコールは必要ないだろう。一時の酒の快楽と天秤にかけられるほど、あなたが築いてきたものは軽くはないはずだ。