お金のこととなると
つい最悪な事態を想定してしまう

 お金のストレスは、決してお金そのものではなく、お金にまつわる出来事に対する私たちの考えや感情から来ます。

 ストレスの多くは、感情的なものから起きます。ある状況を目にしたり、その状況に陥ったとき、私たちは、そのことに対して起きる感情のエネルギーの激しさに圧倒されるのです。

 お金のストレスのせいで、圧倒的なパワーに支配されたり、自分の人生のコントロールを失ったように感じたりすることがあります。お金に翻弄されていると、それを感じてしまうのです。

 何か恐ろしいことが起きそうな感じがするけど、自分にはそれを止める力がないと感じてしまいます。そこには、無力感や絶望感が生まれます。

 たとえば、毎月の生活費を稼ぐために働いている多くの人にとって、今の給料が減る、または支給が遅れたり、もらえなくなると考えただけで、大きなストレスになります。

 私たちの頭の中では、事態が最悪のシナリオへと暴走していくのが見えるのです。その未来では、収入源を失い、家賃や住宅ローンを払えずに住む場所も失い、路頭に迷います。食べ物を買うお金もなく、路上でホームレスになり、寒空の下でマッチ売りの少女のように死んでしまう自分がリアルに見えてしまいます。

たった数万円の損失が
人間関係を壊すことも

 私たちの頭の中にあるこのシナリオが、現実的かどうかは問題ではありません。

 たった一度の給料の遅配や会社が潰れるかもしれないという噂を聞いただけで、私たちは一瞬で、そういう恐ろしい未来を連想してしまうのです。それは、まだ実際には起こっていないのに、私たちはそれが避けられない運命であるかのように「予感」してしまいます。

 そういった想像力の、ネガティブな方向への暴走が金銭的ストレスの原因です。

 財布を失くしたり、ローンやカードの支払いが1回滞ったり、家賃が引き落としできなかったりしただけで、この世の終わりだと感じてしまいます。