それは、私たちの頭の中で、すでに悪夢のようなシナリオが展開され、もうそれは避けられないと錯覚するからです。

 あなたが小さい頃、お金を無駄遣いしたとき、両親に叱られたことはありませんか?

 あるいは、あなたが他より高い値段で何かを買ってしまったことをパートナーが知って、怒鳴りだしたりします。無駄遣いが犯罪のように扱われるのは、「お金を失うという、とんでもない失敗をしてしまった」という共通認識のせいです。

 数十円や数百円を無駄にしたとして、そこまで怒るほどのことでしょうか?数万円を失ったとしても、それは、人格を否定するほど責めるようなことでしょうか?

 気をつけないと、お金のストレスは、あなたの大切な人間関係、友人関係をダメにしたり、あなたの心の平安を奪う可能性があります。

お金を失うことは
寿命を削るのと等しい!?

 ストレスのもう1つの原因は、「お金と自分の生命エネルギーを等価交換で見てしまう」ことから来ます。

 仕事で1時間に2000円稼いでいる人にとって、その金額を失うことは、人生の1時間を失ったことになります。1時間という時間を自分の生命と見てしまうからです。

『いま、お金について知っておきたい6つの教え』書影いま、お金について知っておきたい6つの教え』(本田 健、きずな出版)

 だから、1万円を損したり、浪費すれば、5時間分の命を失うことになります。お金を失うことは、文字通り、身体の一部をむしり取られるような喪失感を覚えるのです。

 もしあなたがすでに裕福で十分なお金を持っているなら、1万円を失っても、相対的に見ればそれほど痛くはないでしょう。でも、生活費をやりくりし、10円でも節約したいときには、大きな痛手と感じます。

 失われたお金をなんとなく労働時間で計算して、「自分の生命力のエネルギーが無駄に失われてしまった」ことに、動揺してしまうのです。それが、あたかも自分自身の貴重な一部を失うような痛みなので、オーバーに反応してしまうのでしょう。

 お金を損したとき、「痛いなぁ」と感じるのは、そういう理由です。