自宅で食事を楽しむ高齢女性写真はイメージです Photo:PIXTA

腎臓を守るために欠かせない減塩。しかし、毎食を薄味にし、好きな料理まで我慢する生活を続けるのは簡単ではない。実は、すべての食事を我慢するのではなく、減らすところを工夫することで、食事の満足度を保ちながら塩分を抑える方法があるという。無理なく続けるための減塩のコツとは何か。※本稿は、医師の上月正博『長生きは腎臓が10割 腎機能を高めて健康寿命を延ばす最高の習慣』(Gakken)の一部を抜粋・編集したものです。

腎臓を守る減塩の第一歩は
まず薄味に慣れること

 腎臓のための高血圧対策をするうえで、避けては通れないのが塩分の問題です。

 高血圧はろ過機能を低下させるので、腎臓を守るには塩分の過剰摂取に警戒しなければいけません。塩分を摂りすぎると血液中の塩化ナトリウム濃度が高くなってしまいます。

 それを薄めるため、体は血管内に水分を取り込んで対応します。その結果、血液量が増加し、血管への圧(血圧)が高まってしまうのです。

 塩分量は1日3グラム以上6グラム未満にするのが目標です。健康な人でむくみが起きていない場合は、この規制が少々ゆるくなりますが、ステージが進んで強いむくみが生じている場合は、5グラム未満に抑えなければいけません。

 多くの人にとって上限目標となる6グラムは、食塩であれば小さじ1杯ほどの量です。しかも、塩分は塩そのものだけでなく、味噌や醤油、ケチャップなど多くの調味料にも含まれています。

 ソーセージや干物などの加工食品にもたっぷり使われていますし、顆粒だしやスープの素といった料理を手助けしてくれる便利な製品にも入っています。もちろん、外食や惣菜も例外ではありません。

 これらすべてをひっくるめて小さじ1杯に抑えるには、まずは薄味に慣れることが大事です

 料理が味気なくなる心配があるかもしれませんが、それは工夫次第でなんとかなります。これから、無理なく減塩できる方法をご紹介します。

「味噌汁断ち」こそ
もっとも簡単な減塩法

 6グラム未満に抑えたい塩分ですが、日本人の平均摂取量は1日10.1グラム。これは先進国のなかでも特に高い数字です。日本人が慣れ親しんでいる和食は、健康的なイメージが強い献立ですが、塩分だけは改善の余地が大いにあります。

 ただ、和食をよく食べるからこそ、手っ取り早く取り組める減塩法があります。3度の食事で思いきって味噌汁をやめることです。

 味噌汁は和食のレギュラーメンバーともいえる存在ですし、一汁三菜の「汁」といえば、味噌汁が真っ先に思い浮かぶでしょう。

 しかし、味噌汁は味噌や具材から栄養を摂れる一方で、塩分過多になりやすいという側面ももち合わせています。減塩を第一に考えると、毎日の献立から退いてもらうのが賢明なのです。

 お椀1杯の味噌汁には、約1.2グラムの塩分が含まれています。1日3食すべてで味噌汁を飲めば約3.6グラムになり、1日の制限量である6グラムの半分以上をこえてしまいます。裏を返せば、味噌汁をやめるだけでかなりの減塩になるわけです。

 約3.6グラムのゆとりが生まれれば、夕食の主菜となる魚料理や肉料理も、減塩することなく普通の味付けで食べられるようになります。

 外食先で定食をいただく場合も、注文の際に味噌汁を外してもらうか、それが難しければ具材だけ食べて汁は残すなど、極力塩分をカットするといいでしょう。どうしても飲みたい場合は減塩の味噌を活用しましょう。

朝食だけ塩分を極力抑えて
昼と夜の塩分に余裕をつくる

 思いきった減塩法は、味噌汁断ち以外にもあります。1日3食のうち、朝食だけを極力、無塩に近づけるという方法です。

 1日3食のすべてで塩分を控えめにするのは、なかなか大変です。いっそのこと、1食分を無塩にして一気に減塩しようという作戦です。