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腎臓の機能は、年齢とともに少しずつ衰えていく。しかし、そのスピードには大きな個人差がある。80代、90代になっても腎臓が元気に働いている人がいる一方、40代から“見えない腎機能低下”が進んでいる人もいるという。なぜ、これほどの差が生まれるのか。そこには、腎機能の低下を加速させる4つの危険因子が潜んでいる。※本稿は、医師の上月正博『長生きは腎臓が10割 腎機能を高めて健康寿命を延ばす最高の習慣』(Gakken)の一部を抜粋・編集したものです。
40代でも危険領域に入る
“見えない腎機能低下”
腎臓は20代からすでに老いが始まっています。腎臓のミッション遂行に重要な役割をになうネフロン(編集部注/尿をつくる腎臓の機能単位)が消耗品だからです。
ネフロンが左右の腎臓に約100万個ずつあるのは20代までの話。その後、年齢を重ねるにつれて数を減らしていきます。
ただし、ネフロンの数が多少減っても、すぐに体に問題が起こるわけではありません。ネフロンのしくみは実によくできていて、最前線で働くグループ、ときおり働くグループ、出番を待つ控えのグループの3つに分かれています。
すべてのネフロンが稼働しているわけではないので、数が減ったとしてもある程度はもちこたえられるのです。しかし、60代になるとネフロンの数は20代の頃から半減するため、検査の数値に異常が現れるようになります。
ただ、腎臓の機能低下自体はその前から着々と進んでいます。場合によっては、40代の時点で腎機能が危険領域に足を踏み入れている恐れもあるほどです。
このことを如実に伝えるのが自治医科大学の黒尾誠教授による研究例です。
45歳以上の健康な男女300人を対象にしたもので、血液検査によって腎機能低下の指標となるホルモンの数値を調べたところ、4人に1人は、5年後に腎不全になる確率が高まるとされる基準値を上回っていたのです。
健康な人を対象に行った調査でこのような結果が出たわけですから、人ごとですますことはできません。ましてや、働き盛りの40代は、多忙を理由に健診や再検査を先延ばしにする人が多い年代ですから注意が必要です。
慢性腎臓病は新しい国民病
約10年で500万人以上も増加
慢性腎臓病は、腎臓が慢性的な機能低下状態におちいるさまざまな病気の総称です。慢性腎臓病の定義が国際的に導入されたのは2002年のことでした。それからわずか20年ほどの間に、患者数は急激に増えています。
日本国内における20歳以上の推定患者数は、05年の時点では1330万人でした。それが15年には1480万人まで増加。24年の統計ではさらに増えて、2000万人という数字が出ています。これは20歳以上の国民の実に5人に1人が患っているという計算です。
同書より転載 拡大画像表示
15年から24年の間に500万人以上も患者数が増えた背景には、いったい何があるのでしょうか。慢性腎臓病を引き起こす主な疾患として、糖尿病や高血圧といった生活習慣病がありますが、治療薬は進化していますし、近年になって著しく数が増えているわけでもありません。
急増している主な原因、それは、年をとること。いわゆる加齢です。ネフロンは年齢を重ねるにつれて数が減っていきます。それにともなって、腎臓の機能も自然に衰えて、原因となる疾患を抱えていなくても、慢性的に腎機能は低下してしまうのです。







