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腎機能が低下すると、「たんぱく質を減らさなければ」と考え、肉や魚などを控える人は少なくない。しかし、制限することばかりを意識して食事量そのものが減ってしまうと、かえって腎臓に負担をかける可能性があるという。腎臓を守るための食事では、何をどこまで減らし、何に注意すべきなのか。※本稿は、医師の上月正博『長生きは腎臓が10割 腎機能を高めて健康寿命を延ばす最高の習慣』(Gakken)の一部を抜粋・編集したものです。
食べなさすぎも
腎臓にダメージを与える
慢性腎臓病といえば、たんぱく質や塩分などの摂取制限がつきものです。腎機能を守るために必要なことなのですが、制限量を下回ってさえいれば万事OKというわけではありません。やり方によっては“制限しすぎ”が仇となる恐れもあります。
気をつけたいのは、アレもコレもと我慢するうちに、全体の食事量が減ることです。1日3度の食事は元来、たんぱく質や糖質、脂質といった栄養素を得る大切な機会。食が細ることは体にとって一大事。腎臓にも悪影響が及びます。
食事量の減少で危惧されるのは、栄養素の摂取が不十分になって体がエネルギー不足におちいることです。エネルギーが足りないと、体は筋肉のたんぱく質を分解して不足分を補おうとします。
この際に発生するのが、尿素窒素などの老廃物です。老廃物を排泄するのは腎臓の役割なので、老廃物が増えてしまうと腎臓の負担も増えてしまうというわけです。
そもそも、腎臓病でたんぱく質の摂取量が制限されるのは、たんぱく質の代謝によって生じる老廃物を増やしすぎないためです。しかし、せっかく制限を守っていても、食が細れば結果的に同じ状況におちいってしまうわけです。
しかも、食が細った場合は筋肉が分解されるため、筋肉量の減少も避けられません。高齢者の場合はサルコペニア(加齢によって筋肉量が減少し、身体機能が低下すること)を招く恐れもあり、腎機能をますます悪化させます。
食が細ることは、摂りすぎと並ぶくらい“良くないこと”なのです。
たんぱく質は減らしすぎず
制限範囲の上限を目安にする
慢性腎臓病のステージが進行するにつれて、たんぱく質は摂取制限が厳しくなっていきます。体内で分解される際に発生する尿素窒素などの老廃物が、弱っている腎臓に負担をかけてしまうことなどが理由です。
一方で、たんぱく質の制限というと減らすことにばかり気をとられがちですが、大前提としてしっかり摂ることを忘れてはいけません。
特に高齢の人は、体がたんぱく質を吸収しにくくなっています。たんぱく質が不足すると筋肉量の減少が進み、サルコペニアにおちいる恐れもあります。不足がはらむリスクは過剰摂取のそれを上回るのです。
たんぱく質を減らすことに主眼を置いて食事を摂ると、どうしても不足が起こりがちです。とはいえ、摂りすぎがいいわけでもありません。そこで、意識したいのが、「減らしすぎない」という視点です。制限範囲の上限ぎりぎりを目安に摂るようにすればいいのです。







