生き残りに必要なのは「毒の濃度を変える力」

 やはり、今後も霜降り明星がトップランナーとして独走を続けるのだろうか。

 もっとも、実力さえあれば生き残れるとは限らないのが、芸能界の難しいところだ。前出の植竹氏が「今でも惜しいと思う」と振り返るのが、多くの芸人たちに語り継がれる「フォークダンスDE成子坂」について。

「彼らは間違いなくポスト・ダウンタウンでしたね。特に、ボケの桶田敬太郎には、ダウンタウンの仕事を脅かすほどの能力があった。力ずくではない“まろやかなダウンタウン”とでもいうのかな」

「フォークダンスDE成子坂がもし冠番組を持っていたら、彼らを目指す後輩が、たくさん出ていたと思いますよ。でも、ボキャブラブームの後に今一歩、伸びきれずに解散してしまい、その実力を発揮できなかった」

 高い実力=芸人としての成功とは限らない。ヒット番組との出会いや時代との相性など、いくつもの条件がかみ合ってようやく、ブームから離れた売れっ子芸人になれるのだ。

 では、コンプライアンスがますます厳しくなっていく今、生き残るのは、「人柄がいい芸人」だけだろうか。植竹氏は、「そう単純な話ではない」と話す。

「良い人すぎても、視聴者から見れば、かえってうさんくさく見えることがありますよね。(萩本)欽ちゃんだって、実際には意地悪な部分を持っていたから、あれだけしつこいツッコミが笑いになったんだと思います」

「明石家さんまさんも、最近は少し良い人の面を出しているけれど、完全にそちらへ振り切ってはいない。ギリギリのところを歩いている。やっぱり頭がいいんですよ」

 勝ち組芸人とは、ただ、毒を抜いて品行方正になることではない。テレビでは毒を薄め、YouTubeでは濃くする。ライブやラジオでは、テレビとは別の顔を見せる――場に合わせて見せ方を自在に変えられるグループこそ、生き残る芸人の条件ではないだろうか。