「自分のほうが何年も長く働いているのに」。年下の社員が次々と大きな仕事を任され、成果を出しているのを見ると、焦りを感じる人もいるでしょう。漫画家・かっぴー氏の書籍『天才になれなかった全ての人へ 自分だけの武器が見つかる才能論』で紹介されている「カード思考」から考えると、そのメカニズムと対策が見えてきます。(構成/ダイヤモンド社・榛村光哲)

年下なのに「自分より職場で活躍する人」の特徴Photo: Adobe Stock

仕事は「持っているカードの数」だけでは決まらない

「カード思考」では、人が持つ能力や性質、経験などを「カード」として捉えます。

仕事を長く続ければ、当然、持っているカードは増えていきます。「経験」「専門知識」「人脈」「過去の成功体験」など、ベテランほど多くのカードを持っているでしょう。だから、若手よりベテランのほうが有利に思えます。しかし、カードは持っているだけでは意味がありません。重要なのは、その職場で「使えるカード」を持っているかどうかです。

職場によって「強いカード」は変わる

たとえば、スピードを重視する職場なら、「すぐに決断できる」「すぐ動ける」というカードが強く働きます。一方、ミスを出さないことを最優先する職場なら、「慎重に確認する」「細部まで詰める」というカードのほうが評価されるでしょう。

同じ人でも、職場が変われば評価が変わるのはこのためです。「行動力」が武器になる会社もあれば、「落ち着きがない」と見られる会社もある。「慎重さ」が武器になる会社もあれば、「決断が遅い」と見られる会社もある。

カードそのものに絶対的な強弱があるのではなく、その場所のルールによって価値が変わるのです。

若手がベテランを抜くのは「職場に合うカード」を持っているから

ここまで考えると、経験の浅い若手がベテランを追い抜く理由も見えてきます。ベテランが100枚のカードを持っていても、その職場で強く評価されるカードが少なければ、成果にはつながりにくい。一方、若手がまだ20枚しかカードを持っていなくても、その中に今の職場が求めているカードが何枚もあれば、すぐに活躍できます。経験量では負けていても、その場所との相性では勝っているのです。

「経験が足りない」は致命的な弱点ではない

年下の人に追い抜かれると、「自分より経験が少ないのになぜ」と考えてしまいます。しかし、そもそも会社は経験年数そのものを評価しているわけではありません。

「10年間働いている人」が「3年間働いている人」より必ず評価されるわけではない。3年目でも、その会社が必要としているカードを持ち、それを仕事で使えているなら、大きな成果を出すことができます。

年下を羨むより「自分のカード」を見る

自分より若い人が活躍していると、「あの人は才能がある」「自分はもう追い抜かれてしまった」と考えたくなるかもしれません。しかし、その人があらゆる場所で自分より優秀とは限りません。今の職場で、その人のカードが強く働いているだけかもしれない。逆に、自分にも別の環境なら圧倒的に強くなるカードがあるかもしれません。

だから見るべきなのは、年齢でも経験年数でもありません。「この職場では、どんなカードが評価されるのか」「自分はそのカードを持っているのか」です。年下に負けたと考えるのではなく、「今のゲームでは、どのカードが強いのか」を考える。それが、自分の戦い方を見直す第一歩です。