市場規模は2年連続で増加
それでも倒産が増えるおそれ
パチンコホール全体の市場規模の目安を表す総売上高は、コロナ禍後もほぼ横ばいの状況が続いている。帝国データバンクが保有するデータベース「COSMOS2」によれば、2025年の総売上高は12兆433億円となり、前年から2.8%増加した。
微増ながらも、総売上高が前年を上回ったのは2年連続となる。従前から減収傾向にあるなか、過去10年で見ても2016年から8年連続で前年を下回っており、特にコロナ禍前半の2021年には、休業要請などの影響で前年比23.6%の大幅減少。2023年の新型コロナ「5類移行」後は経済活動が回復するにつれて減少幅は縮小しているが、本格回復とは程遠い状況が続いている。
2025年に損益が判明したパチンコホール経営法人412社の損益状況を分析したところ、黒字企業の割合は71.6%だった。コロナ禍の2021年には約6割の法人が赤字となっていた状況と比べると、損益面は徐々に回復し、3年連続で黒字企業が過半数を占めた。
一方で赤字企業のうち54.7%が2期連続の赤字を余儀なくされており、光熱費や人件費の上昇により収益性が悪化している法人も少なくなかった。
名古屋市に本社を置くパチンコメーカー「豊丸産業」は7月28日、自社ホームページ上で「パチンコ事業停止に関するお知らせ」を発表した。7月31日をもって、66年に及ぶ同社のパチンコ事業の歴史に幕を下ろした。
誰もが知る有名なメーカーではなかったものの、“他社とは一線を画した”遊技台を強みとしており、一定のファンを有していた。大手のメーカーがひしめくなかで「特徴ある中小メーカーの事業撤退」を惜しむ業界関係者も少なくない。
同社のお知らせ文を読むと、今回の決断は「事業環境および経営環境を踏まえた結果」としており、パチンコ業界全体を取り巻く事業環境は厳しいままだ。前述したように、パチンコホールの経営法人は10年間で半減しており、メーカー各社にとってみれば、それだけ販売先数が大きく減少していることに他ならない。
パチンコホールは近年、「斜陽産業」と言われて久しい。今後は優勝劣敗がさらに鮮明化することが予想され、ここ数年は小康状態であった倒産件数が、今後増加に転じる恐れは十分にある。









