パチンコホール「アクセル亀有」店舗(2026年2月時点、帝国データバンク撮影)
帝国データバンクの調べによれば、全国の「パチンコホール」経営法人数(2025年末時点)は1130社にとどまり、前年から71社(前年比5.9%減)少なく、直近10年間で1362社(同54.7%減)減少していることが分かった。「10年間で半減」となった背景には、市場全体が伸び悩むなか、M&Aや倒産・廃業などで関連業者の淘汰が進んだことが考えられる。2025年の「パチンコホール」経営法人の倒産は16件を数え、前年(23件)から30.4%減少した。過去20年を見ても、2012年と2016年(各13件)に次ぐ少なさであり、近年ではコロナ禍の2022年(34件)から減少傾向が続いている。ただ、2026年はすでに7月までで16件発生。前年の年間合計に達しており、ここにきて増加の兆しも見られる。(帝国データバンク大阪支社 情報部情報課長 内藤 修)
「駅徒歩1分」でも生き残れない
パチンコホールを追い詰めた3つの誤算
都内23区内にパチンコホールを出店していた「アクセル」(東京都葛飾区)は、8月5日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。同社は、2000年4月に設立されたパチンコホール。JR亀有駅から徒歩1分の好立地を生かし、「アクセル亀有」の店舗名でパチンコ178台とスロット196台を設置していた。周辺住民を中心に一定の利用者を集め、近年ピークとなる2006年1月期には年収入高約50億円を計上していた。
しかし、近年は新型コロナ感染拡大の影響を受け、来店客数が大きく落ち込んでいた。近隣には同業者が出店し競合が激しかったうえ、店舗の老朽化も進んだことで競争力も低下。スマホゲームの普及も重なって、コロナ禍収束後も売り上げの回復が進まない状況が続いていた。2025年秋頃から取引先への支払いが遅れるなど、資金繰りが悪化するなかで事業継続を断念し、約3億8000万円の負債を抱えたまま破産に追い込まれた。
石川県白山市に本社を置く、地場のパチンコホール「カラット」も、コロナ禍後の業績が回復しないまま破産に追い込まれた1社だ。同社は2006年6月に設立され、かつて別法人が運営していたパチンコホールを、同社の経営破綻後に引き継ぐ形で事業をスタートした。「パチンコカラット鶴来店」1店舗を展開し、地元の周辺住民を中心に顧客を集め、ピーク時の年収入高は10億円を超えていた。
しかし、店舗の老朽化や同業者との競合に加え、新型コロナの感染拡大時に来店客数が大幅に減少。その後も売り上げの回復は進まず、2025年3月期の年収入高は約5億3000万円にとどまっていた。
この間、コロナ関連融資をはじめとする金融機関からの借入金で資金繰りを回していた。集客面では、パチンコサイトやSNSを活用したプロモーションで来店客数の増加に努めたものの、店舗で使用する遊戯機器の仕入れ値が高騰する一方で、来客数や客単価の大幅な改善はなく、仕入れ先に対する支払いの遅れが発生。資金繰りに窮し、先行きの見通しが立たなくなるなか、負債約8億4900万円を抱え、2026年6月9日に金沢地裁より破産手続き開始決定を受けた。







